初期臨床研修を終え、4月から県内の病院で後期研修に進んだ医師は44人であることが9日、県の調べで分かった。人数は増加傾向にあるが、初期研修を修了した後に県外へ流出した人数が、県内に流入した人数を上回り、県医療薬務課は医師の県内定着や県外からの流入促進に向け、受け入れ先の各病院の指導力向上やさらなる魅力づくりの必要性を訴えている。
後期研修医の人数は、県内の医師定着状況を計る一指標。
同課によると、2008年3月に県内病院で初期研修を修了した医師数は51人。うち35人が県内病院で後期研修に進み、11人は県外に流出した。残る5人は後期研修に進まずに県内病院に勤務した。
一方、県内病院で後期研修に進むため、県外から9人が流入してきた。
病院別の受け入れ人数は、弘前大学医学部付属病院19人、県立中央病院4人、健生病院2人、黒石病院1人、八戸市立市民病院16人、十和田市立中央病院2人。
07年4月は40人弱が県内の病院で後期研修に進んでおり、08年4月の人数は前年に比べて増加している。しかし、県内の病院で初期研修を修了して県外に流出した人数が、県外から後期研修に進むために流入してきた人数を上回った。
今回の調査結果について同課は「人数は昨年に比べ増えているが、手放しで喜べる状況にはない」と語り、「医師を受け入れる病院は初期研修プログラムや後期研修の指導医をさらに充実させる必要がある。例えば、売りとする診療科を設けるなどして、アピールしていくことが重要」などと訴えている。