聖火リレーを9日に控えた米・サンフランシスコで中国への抗議活動ピーク
北京オリンピックの聖火リレーを9日に控えた米・サンフランシスコで、中国に対する抗議活動がピークに達している。抗議集会には俳優のリチャード・ギアさんも参加した。
聖火リレーを翌日に控えたサンフランシスコでは、俳優のリチャード・ギアさんが抗議集会に訪れ「Free Tibet!(チベットに自由を)」と訴えた。
リチャード・ギアさんは「(人を)信じることと、尊敬することが、社会の調和をつくるんです。チベットの皆さん、チベットを愛する皆さんも、どんなに深刻な状況でも暴力を振るわないでください」と訴えた。
アメリカ・サンフランシスコでは中国に対する抗議活動がピークに達している。
中国総領事館前には2,000人以上が集結した。
デモを行った人々は「チベットは自由になりたい! 中国は恥を知れ! 自由のないところには、オリンピックはない!」とシュプレヒコール。
「チベットに聖火はいらない」と書かれ、倒れた人から流れた血が五輪のマークにしたたるイラストも見られた。
長い列の横には、バイクに乗った警察官が不測の事態に備えた。
3月に起きたチベット騒動の余波は各国に広がり、さらに激しさを増している。
北京オリンピックの聖火リレーに対する妨害行為は6日のイギリス・ロンドンで火を噴き、7日のフランス・パリでは混乱を避けるため、聖火の火を3回も消し、コースの途中で打ち切られるなど、異例の事態に発展した。
9日のサンフランシスコでも、およそ7,000人が抗議活動に参加するとみられていて、さらなる混乱が予想されている。
IOC(国際オリンピック委員会)関係者は「聖火リレーの警備能力が十分でなくて落胆しています」と語った。
こうした事態を受け、今後、アルゼンチン、インドやオーストラリア、日本などを回り中国へ戻る聖火リレーのコースを変更する可能性も浮上している。
9日午後、JOC(日本オリンピック委員会)の武田会長は「世界の各都市の方々が聖火を待ち受けていますので、予定通り成功裏に終わればありがたい」と述べた。
IOCは9日、緊急の理事会を北京で開催した。
ロゲ会長は「いかなる変更もない」と強気の姿勢を見せている。
一方、北京オリンピックは開会式でこれまでにない光景が繰り広げられることになった。
2004年のアテネオリンピックでは各国はギリシャ語のアルファベットの順で入場、それ以前は、英語のアルファベットの順で行われるのが通例だった。
今回、中国側は8日、「中国語表記」の画数順で行うことを明らかにした。
全205カ国が参加した場合、ギリシャに次ぐ2番手になるとみられているのは、最初の文字が2画のギニア(几内亜)。
最初の文字が4画の日本も10番台後半から20番台前半と、今までより入場が大幅に早くなるという。
(04/09 19:14)