北京五輪の聖火リレーへの妨害行動が通過国の英仏などで激化している問題で、警察庁と長野県警は9日、長野市内で26日に行われる聖火リレーの警備強化を図り、計画見直しの本格検討に入った。コース脇に機動隊を配置して妨害行動の警戒にあたるほか、近隣県警への応援要請も検討する。海外の事例を参考に危機管理マニュアルの作成も急ぐ方針だ。
長野市のリレーは国宝・善光寺をスタートし、98年長野五輪スピードスケート会場のエムウェーブなど全長18.5キロを、北京五輪野球日本代表の星野仙一監督ら80人が約4時間かけて聖火をつなぐ。
警備計画は当初、市街地での駅伝、マラソンなどと同様の交通規制と、見物客の混乱防止を目的とした雑踏警備が柱だった。しかし、海外で妨害活動が激化。混乱が生じている事態を重視し、4日に聖火リレー警備対策委員会(委員長・石井隆之県警本部長)を設置した。26日は長野市内で抗議活動を予定する人権団体があるほか、右翼団体が「北京五輪反対」を掲げて街宣活動を行う情報もあり、警備計画の見直しが迫られていた。
聖火は25日に豪州キャンベラから空路で東京・羽田空港に到着し、陸路で長野市へ運ばれる予定。【遠山和彦、藤原章博】
毎日新聞 2008年4月10日 2時30分(最終更新 4月10日 2時30分)