世界経済フォーラムは9日、各国・地域のIT(情報技術)分野の競争力を比較した「2008年版世界IT報告」を発表した。日本の順位は127カ国・地域中19位となり、昨年の14位から5つ後退した。昨年に続き首位のデンマークなど北欧勢が上位を固める一方、日本は韓国(9位)、オーストラリア(14位)などに抜かれ、IT先進国としての課題を残した。
世界経済フォーラムは政財界の指導者を集めるダボス会議の主催団体。ITの利用環境や活用度などに関する指標を総合した競争力指数の国・地域別ランキングを毎年作成している。
日本の順位が後退したのは調査分野のうち利用環境(昨年の7位から14位)、個人の準備態勢(14位から27位)の影響が大きかった。利用環境を構成する項目では特に法人税率の高さが足を引っ張ったという。一方で企業部門の準備態勢は9位、活用度は3位と健闘が目立った。(ジュネーブ=市村孝二巳)(09日 20:05)