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マルチコア・コンピューティング
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[世界]
【Gartner予測】
「破壊的な影響力を持つ技術」ランキング、1位はマルチコアCPU
「こうした技術により、今後4年でIT業界の状況は一変」とアナリスト
(2008年04月09日)
1位マルチコア・プロセッサ、2位クラウド・コンピューティング、3位ユーザー・インタフェース、……。米国の調査会社Gartnerは4月8日、同社主催のシンポジウムにおいて、2012年までの4年間にわたって「破壊的な影響力」をIT業界に及ぼす技術をランキング形式で披露した。
同ランキングをまとめたのは、Gartnerのアナリストであるデビッド・シアリー(David Cearley)氏とカール・クランチ(Carl Claunch)氏の2人。両氏は米国ラスベガスで開催された「Symposium/ITxpo 2008」で講演し、こうした技術が今年から2012年にかけてIT業界の状況を一変させると語った。
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両氏がまとめたランキングのトップ10には、前出の3つの技術のほか、ソーシャル・ネットワーク/ソーシャル・ソフトウェア、Webマッシュアップ、ユビキタス・コンピューティング、コンテキスチュアル・コンピューティング、拡張現実感(Augmented Reality)、セマンティクス、仮想化が入っている。
1位のマルチコア・プロセッサについて、両氏はこれまでの技術にない利点があるとしながらも、シングルスレッドにしか対応していないアプリケーションではマルチコアのパワーを引き出せないことを危惧しているという。「例えば、シングルスレッド・アプリケーションを8コアのシステムで稼働させても、利用可能なコアを8分の1しか使えないため、利用率は12.5%にとどまる」
こうしたことから、「修正の必要なアプリケーションを特定する必要がある」と両氏は述べている。
また両氏は、6位のユビキタス・コンピューティングに関して、今後数年間で普及の足がかりができるとの見通しを示した。いわゆる“第3の波”の具現化を、その理由として挙げている。
「20年前、マーク・ワイザー(Mark Weiser)氏らXeroxのパロアルト研究センターの研究員たちは、コンピュータの第3の波というビジョンを描いた。このビジョンは、ふだんは目に見えないコンピュータを必要に応じて利用するというもので、ハンドルや簡素なボタンの陰に隠れている車載コンピュータなど、多くのコンピュータが空気のような存在になるという未来像を示している」(両氏)
Weiser氏は「ユビキタス・コンピューティングの父」と言われる人物である。Weiser氏らが提唱した第3の波は、コンピュータが人々の周囲に遍在し、見えない形で環境に組み込まれることを意味している。Cearley氏によると、第3の波を支えるのは、RFIDタグ、持ち運び可能でさまざまな場所からもアクセスできるデータ、およびネットワーク技術の進歩などだという。
このほか、Cearley氏とClaunch氏は以下のような展望を示している。
・2010年には、Webマッシュアップがコンポジット・アプリケーション開発の支配的なモデルになる(80%のアプリケーションがこのモデルを使用)
・2010年には、コンシューマー向けソーシャル・ソフトウェアのコンセプトや言語、技術が、企業向け製品を提供するベンダーの間でも主流になる
・2010年には、3軸加速度計(任天堂のゲーム機「Wii」のコントローラなどで使用されている、機器の動きとその方向を検知するデバイス)の値段が1ドル未満にまで下がり、各種の電子機器に組み込まれるようになる。加速度や傾きを検知する装置と、無線技術などを組み合わせることにより、手を触れるだけで名刺を交換できるような機能が現実のものとなる
(Chris Kanaracus/IDG News Serviceボストン支局)
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