庁内情報流出の恐れがあるまま無線LANでパソコンが使われていた高岡市役所=同市広小路
|
高岡市役所で無線LAN(構内情報通信網)に接続したパソコンが、情報の暗号化がさ
れないまま使われていることが八日、分かった。庁内情報が外部に流出する恐れがあるた
め、市は暗号化や有線LANに切り替えるなどの安全対策に乗り出すことを決めた。
市情報政策課によると、情報の暗号化がされないまま無線LANで使われているパソコ
ンは、福祉保健部や総務部が入る庁舎一、二階の約三十台。主に庁内の事務連絡などの書
類作成に使われている。福祉や税務関係などの個人情報を扱うパソコンは有線LANを使
用しており、個人情報が漏れる可能性はないとしている。
無線LANは無線で情報を発信するため、外部に流出する危険性があり、暗号化して使
用することが不可欠とされる。富山県庁や富山市は庁内での無線LANの使用を認めてい
ないが、高岡市は個人情報を扱わない事務系パソコンに限り、情報を暗号化したうえで無
線LANを使用することを認めている。
高岡市は出先機関を含めて約千百台のパソコンを使用しており、二〇〇四年度から順次
、暗号化できるパソコンに更新してきた。本庁舎一、二階の約二百台は今年度の更新を検
討したが、予算不足で見送った。このため、暗号化できない古いパソコンが残った。
無線LANから情報流出の恐れがあることは、北陸無線データ通信協議会(金沢市)な
どの指摘で判明した。同協議会は「無線LANの使用自体、情報管理に対する認識の甘さ
を示している。抜本的な対策を講じるべきだ」としている。