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日銀人事:民主の亀裂表面化 造反・欠席・棄権7人

 「3度目の不同意」となった9日の日銀人事案の参院本会議採決で、前財務省財務官の渡辺博史氏を副総裁に起用する案を巡り、民主党内の亀裂の深まりがあらわになった。造反・欠席・棄権は7人。同一会派の無所属議員1人を加えると8人で、4人だった前回(3月19日)の倍に増えた。造反議員は党内の大勢だった容認論に反する党方針を「政局がらみの判断」などと批判。党方針を決定付けた小沢一郎代表に対する反発の広がりは、今後の党運営に大きな火種を残した。

 「党の決定はおかしい。小沢代表は非常にかたくなに何かに固執された」。渡辺副総裁案に同意票を投じた大江康弘氏は記者団に語った。渡辺秀央氏も小沢氏の言う天下りに当たらないと主張し「民主党に国を任せることに疑問が出てくる」と懸念を示した。

 日銀正副総裁人事の採決は今国会で3回目。民主党の造反者増に加え、統一会派を組む国民新党が2回目から同意に回ったため、同意と不同意の票差は次第に縮まっている。

 衆院採決で党の方針に従った前原誠司氏も「本音は同意したかった」と発言。「党内の大半が容認していた中で『反対』となった。相当、党内に不満がたまっているのではないか」と指摘した。

 こうした声に小沢代表は9日の会見で「違う意見をまとめるために組織がある。組織のプロセスを経て決めるのは当たり前」と反論した。しかし、党幹部の説得を受けて造反せず欠席にとどめたある議員は「ダメージは大きい。エネルギーは押し込められるほど爆発する。今回はまずい」と漏らした。【上野央絵】

毎日新聞 2008年4月9日 23時35分

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