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殴られる教師たち

モンスターペアレントによる暴力・脅迫5年間で2倍以上に

 ソウル市内にあるA高校のB校長は昨年8月に自主退学する生徒の保護者と話し合っていた最中、保護者から暴力を振るわれた。現職区議会議員だという保護者は「わたしは政治をしている人間だ。お前らみんな殺すことだってできるんだぞ」と暴言を吐き、こぶしで校長のアゴと腹を殴ったのだ。A校長は救急車で近くの病院に搬送され、全治3週間という診断を受けた。

 教師が児童・生徒・保護者から殴られたり、脅迫されたりするケースが毎年急増していることが分かった。

 韓国教員団体総連合会(イ・ウォンヒ会長)は、昨年1年間に申告があった児童・生徒・保護者による教師への暴力や脅迫行為は合計168件で、2002年の78件に比べ2倍以上になっていることを8日、明らかにした。同連合会によると、教師が被害に遭ったケースは私立学校よりも国・公立学校のほうが3倍以上多く、幼稚園・小学校教師の被害例は計97件で、中高の64件を上回った。

 同連合会の関係者は「教師に対する暴力があったという申告は小学校で多い。児童が小さいほど学校であったことを大げさに言うなど伝達能力に欠けるため、教師と保護者の間に誤解が生じる。このため教師に対し不当な暴力・暴言が行われる可能性が高い」と説明している。また、ソウル・京畿道地域に勤務する教師の被害例が51%と全体の半数を越えた。これは、他地域に比べこの地域の教師のほうが被害の申告に積極的なためとみられる。

キム・ナミン記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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