高齢化の進行などによる救急車出動件数の増加に伴い、タクシー代わりに救急車を利用したり、どの病院に行けばよいか分からないため救急車を呼んだりするなどの、救急車の不適正利用が問題になっている。消防庁では「緊急搬送する必要のない人に対する救急出動が増えると、本当に必要な人への対応が遅れる」として、救急車を本当に必要なときに使ってほしいと呼び掛けている。
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救急車の出動件数は年々増加しており、2006年は523万7,716件で、10年前に比べ約176万件も増えている。人口1万人当たりの出動件数も、同年は410.3件で、20年前の2倍に増えた。また、救急医療機関での受け入れ不能が相次ぐ中、救急隊による受け入れ照会回数や搬送時間の増加も問題視されており、「救急車で行けば早く診てくれると言う患者や、救急車を呼んで入院してくるケースもある」など、救急車の不適正利用を指摘する声が上がっている。
こうした状況を踏まえ、消防庁は本当に必要なときに救急車を使うよう呼び掛ける啓発ポスターを医療機関や消防機関などに配布している。「不適正利用するつもりがなくても、子どもが熱を出した時に連れて行く病院が分からず、困って救急車を呼んでしまうなど、一般の人が結果として不適正に使ってしまうようなケースを防ぎたい」と話している。
ポスターに関する問い合わせは消防庁救急企画室、電話03(5253)7529、ファクス03(5253)7539まで。
更新:2008/04/09 13:08 キャリアブレイン
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08/01/25配信
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医師の山田規畝子さんは、脳卒中に伴う高次脳機能障害により外科医としての道を絶たれました。しかし医師として[自分にしかできない仕事]も見えてきたようです。