記事入力 : 2008/04/09 16:19:06
「植民地時代、生活水準が向上した」
ニューライト系教科書の3大論点(中)
(2)植民地時代:一方的な収奪か、近代化の端緒か
今回の教科書で日帝強占期に関して触れている部分は、最も強く批判されることが考えられる。執筆を主導したソウル大の李栄薫(イ・ヨンフン)教授は、植民地時代に日本による近代化が存在したと認める「植民地近代化」論者の代表格だ。この本では「植民地近代化論」という表現を使っていないものの、植民地時代は近代文明を学習し実践する時期であり、経済開発や生活水準の向上も実現したと叙述している。しかしながら「抑圧と差別は植民地支配の本質的要素」であり、近代文明の輸入は日本による同化政策の「意図せざる結果」だったことを強調する。
しかし、日本の政策に対する解釈は現行の国定教科書とも大きな差がある。日本による「土地収奪」として知られている土地調査事業について、「国家が土地財産に対する証明制度を完備したことで土地取引が活性化し、土地を担保とした金融が発展した」と叙述している。さらに「土地全体の40%を国有地として没収したという主張は根拠がない」とも記している。1912年の朝鮮民事令については、「韓国を支配する目的で公布したものだが、韓国人の私有財産権および経済活動の自由も保障しており、韓国人も近代的な私権の主体となった」と叙述した。
成均館大東アジア学術院のハ・ウォンホ研究教授はこうした叙述に対し、「ファシズム体制だった日帝時代を評価するに当たり、暴圧的な政治体制と経済部門を分離するというのでは話にならない。日帝でなくとも、近代文明を輸入することができる状況だった」と反論した。
- 日帝強占期の朝鮮で、鉄道を敷く日本人。/写真=朝鮮日報DB
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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