Vistaは死んだ。
4月4日にマイアミで開催された企業の慈善活動に関するセミナーでビル・ゲイツ氏がそう言ったわけではないが、同氏の発言はそれに近いと言えなくもない。Reutersの報道によると、ゲイツ氏が実際に言ったのは、Windowsの次期デスクトップバージョンである「Windows 7」が「来年ごろ」にリリースされる見込みだということだ。
さようならVista。君と会えて楽しくなかったよ。
わたしは1月の時点で、MicrosoftがVistaを見限るだろうと予想した。どうやらわたしの予想は正しかったようだ。Vistaが登場したとき、Microsoftの上級幹部でさえもそれを嫌っていたのだから、ほかの人が好きになるのを期待する方が無理というものだ。
Vista SP1は痛ましいアップグレードとなり、そのパフォーマンスは依然としてXP SP2(そしてまだリリースされていないXP SP3)を下回っている。さらに悪いことに、あるMicrosoft幹部によると、Windowsは実際にMac OS XおよびLinuxにデスクトップ市場のシェアを奪われつつあるという。Microsoftはこれまで、デスクトップ市場のシェアを失ったことは一度もない。しかしVistaでは、Microsoftは初めて顧客を失っているのだ。
Microsoftは早くから不吉な前兆を予感していたのだろう。同社は既に2007年7月の段階でWindows 7の宣伝をし始めた。Microsoftのビジネスプランは一貫して、顧客を次期版にアップグレードさせることである。彼らはそうやって何十億ドルも稼いできたのだ。しかし今回の場合、Vistaが登場したばかりの段階で次期版の話が出てきたのである。
Microsoftは本当に、顧客を引き付けるようなWindows 7を2009年に出荷することができるのだろうか。Vistaは何度も出荷が延期されたことで不評を買った。Windows 7は、失敗したVistaをリプレースするのみならず、XPよりも優れていることをMicrosoftの顧客に納得させなければならないのだ。
これは簡単なことではない。MicrosoftがUMPC(Ultra Mobile PC)という形でXP Homeを延命させたことも、それを物語っているのではないだろうか。しかし、Microsoftは顧客を満足させるカードも隠し持っているのではないかと思う。それは2009年に登場するかもしれない。「Server 2008 Workstation」である。
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