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　鈴木宗男衆院議員（６０）の次男で秘書の行二さん（３１）が６日夜、東京都港区の自宅マンション敷地内に侵入した不審な男を発見し、約６００メートル走って追い掛け、逮捕していたことが７日、分かった。警視庁赤坂署によると、男は東京都世田谷区の会社員小場啓伸容疑者（３０）で、同署では建造物侵入容疑で捜査。同容疑者は調べに対し、マンション１階のエステ店を盗撮しようとして侵入したなどと話しているという。

　走る代議士宗男氏のＤＮＡを受け継ぐ次男が、不審者を猛ダッシュで追跡し、取り押さえた。赤坂署によると、小場容疑者は６日午後７時１５分すぎ、港区南青山のマンションのフェンスを乗り越え、敷地内に侵入した疑い。同容疑者は調べに対し「１階のエステ店を盗撮するため敷地に入った」と容疑を認めている。

　捜査関係者によると、同容疑者は黒いトレーナーとジーンズ、スニーカー姿で、隣家との間の幅約１メートルの空き地に入り、盗撮しようとしていた。そこに、北海道出張から帰ったスーツに革靴姿の行二さんが通りがかり、小場容疑者を発見。声をかけたところ、同容疑者が逃走したという。行二さんは出張の荷物を両手に持っていたが、思わずダッシュ。墓地の中を駆け抜けるなど約５分間の追跡の末、自宅から約６００メートル地点の上り坂で小場容疑者がギブアップしたところを逮捕し、１１０番通報した。捜査関係者も６００メートルの追走を「かなりの距離」とした上で「お手柄です」と話している。

　行二さんには部活動などの運動歴や武道経験はない。しかし、４０歳からマラソンを始め、２月の東京マラソンでフルマラソンを３時間５７分１１秒で完走した宗男氏を筆頭に、鈴木事務所は体育会系の厳しい事務所として知られる。特に宗男氏は選挙期間中、約３００メートル先で手を振る支持者を見つければ、猛ダッシュして握手する精力的な活動を朝８時から夜８時まで文字通りの全力疾走で続ける超人だ。その超人のＤＮＡを受け継ぎ、秘書として宗男氏を走って追いかける日常で自然に身についた体力が、逮捕劇を支えたとみられる。

　鈴木事務所は「当然のことをしたまで」とコメント。宗男氏は「鍛えておくというのは大事ですね。少しでも治安のために役に立ったと思えばよかった」と話した。行二さんは「（容疑者は）反省しているようなので、気持ちをあらためてほしい」としている。

　［2008年4月8日9時3分　紙面から］

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