チベット暴動で亡くなった人たちの追悼イベントが開かれる善光寺の駒返り橋周辺
県内有志でつくる「チベット問題を考える長野の会」(野池元基代表)は13日夜、3月以降の一連のチベット暴動で犠牲になった、漢民族を含むすべての人々を悼むイベントを、長野市の善光寺で開く。26日に市内を走る北京五輪聖火リレーに向けて企画し、善光寺側に敷地の使用許可を要請。善光寺は8日、事務局役員らによる局議で、問題はないとの意見でまとまり、使用を認めた。
善光寺敷地内の仲見世通り北側にある駒返り橋周辺で、午後5時半から7時まで、150個以上のろうそくをともし、追悼の意を示す光の文字を夕闇に浮かべる計画。チベット人の人権問題改善を支援する諸団体でつくる「チベット・サポート・ネットワーク・ジャパン」(東京)がこれまでに把握したという犠牲者数約140人を基にした。当日は、参加者が自由に書き込める和紙製のメッセージカードも用意するという。
国宝の本堂や国重要文化財の山門周辺の「境内」は火気厳禁のため、開催場所は駒返り橋周辺。聖火リレーのコース脇に当たる。
欧州で聖火リレーに合わせた中国政府への抗議活動が活発化しているさなかの開催になるが、善光寺寺務総長の若麻績信昭さん(51)は「長野冬季五輪の開幕の際に平和の祈りの鐘をついたように、今回も全世界の平和を祈る立場に変わりない」と話す。
「チベット問題を考える長野の会」イベント担当の建築士高村隆徳さん(41)=千曲市=は「チベットをめぐって何が起きているのかに思いをはせたい。日本人としてそれぞれに考える場にしたい」としている。