教員免許を持たない実習助手の単独授業など不祥事が続いた鳥取県立鳥取盲学校(鳥取市国府町宮下)の専攻科理療科二年、保坂政嘉さん(35)が三十一日、教員の酒酔い授業や居眠りといった職務怠慢、生徒への暴言などが行われたとして、学校と県教委を相手に県弁護士会人権擁護委員会(大田原俊輔委員長)に人権救済を申し立てた。同委員会は受理し、調査に入る。
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鳥取盲学校の人権侵害行為を訴える保坂さん(中央)ら=31日、県庁
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申立書によると、教職員の授業中の居眠りなどは常態化しており、昨年十月の授業では女性実習助手が「酔っ払っちゃった」などと酒酔い状態であることを明言して教室で熟睡。さらに、女子生徒に「毛が濃い」、恐喝の被害に遭った生徒に「かつあげされて頭が良くなったか」などと発言したという。
保坂さんは会見で、これらの問題について何度も学校に抗議したが取り合ってもらえず「告発しなければならないところまで追い詰められた」と説明。実習助手の単独授業発覚以降、学校や県教委は二月下旬にいったん酒酔い授業を認めたが、三月下旬に撤回したという。
保坂さんは「県教委と盲学校が共謀して隠蔽(いんぺい)しているような動きがある」と指摘。授業や県教委との会談の録音データが入ったCDを証拠として持っていることも明かした。
会見に同席した同校の岸本静喜PTA会長(50)は「何を信じていいのか分からない」と学校に強い不信感を示した。
人権擁護委は予備審査で調査方針を定め、五人程度の体制で学校や保護者への本調査を開始する。