いじめ 事勿れ主義では防げない [社会]
11月11日の毎日新聞より
「隠ぺい」見えぬ真相
筑前・いじめ自殺から1ヶ月
福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺して11日で1ヶ月。学校側はいじめを認めたが、因果関係について「調査中」の立場を崩していない。その後も全国で、自殺や自殺予告が続くなど苦悩の連鎖は続く。なぜ、男子生徒は死を選んだのか。町は調査委員会を設置したが、学校側の隠ぺい体質も見え隠れし、真相は見えないままだ。【いじめ問題取材班】
説明転々学校に不信
■ちぐはぐな対応
「真実と向き合え」。学校の食堂に男性の叫び声が響いた。男子生徒の自殺から9日後の夜、三輪中で開かれた2回目の保護者会。一通りの説明を終えた学校側が、保護者たちにリラックスする方法を紹介している時だった。目を閉じ、音楽に合わせて呼吸するなどをする状態が約30分間続き、保護者の一人がしびれを切らしたのだ。「こんなことをしてる場合じゃない。問題に真剣に向き合うべきだ」
学校への不信感は、その5日前の最初の保護者会で芽生えていた。合谷智校長が「この事件のほかにいじめがあった認識はない」と切り出した。「本当ですか?」。保護者の1人が質問すると「先生たちに発言してほしい」という声が続いた。担任教師らは「生徒から自転車の部品やスカートが無くなったと相談された」「(いじめで)学校に行きたがらない子がいた」と明らかにした。合谷校長は「自分が知らない話があった」と発言を撤回した。
■遅れる調査
町が調査委の初会合を開いたのは、男子生徒の死から27日後の今月7日。委員を引き受けてくれる人がなかなか見つからず、難航したという。最終的にメンバーは大学教授や児童相談所長ら7人が決まったが、参加を要望した遺族については「公平、迅速な調査」を理由に認めなかった。12月上旬をめどに報告書をまとめる。
一方、学校側は説明が二転三転して批判を浴びた10月16日以降、積極的に調査の進ちょく状況などを公表しない姿勢に転じ、沈黙を守っている。
この間、文科省の小渕優子政務官、山谷えり子首相補佐官、教育再生会議委員で「ヤンキー先生」と呼ばれる義家弘介さん、自民、民主両党の調査団などが続々と町に乗り込んできた。「学校の体質改善が必要」「しっかりとした調査がいじめをなくすことにつながる」などと前向きな発言が相次いだが、まだ具体的な方向性は見えない。
また、三輪中では男子生徒の自殺後、多い日で30人近い生徒が保健室に駆け込み、給食に手をつけられない生徒もいた。
■「いじめは絶対だめ」
男子生徒は1年の時に言葉によるいじめを受けるようになり、ある生徒グループは男子生徒とすれ違いざまに「死ね」と吐き捨てるように言った。「みんなに避けられている。周りの目が死ねって言っている」。仲が良かった女子生徒にそう漏らした数日後、命を絶った。
男子生徒の母親(36)は「いじめている子はもう一度自分を振り返ってほしい。いじめは絶対だめなんです」と訴えた。
いじめの問題は、事勿れ主義では防げないし、臭いものに蓋をするしか能がない校長では、まともな調査なんて期待するほうが無理。
次の世代となる大切な子供を育てるという使命感が、昨今の教師には感じられない。
生前、伯父が中学の教頭をしていたが、校内暴力やいじめに体当たりで取り組んでいたし、自分の保身を顧みず、事件を防ぐためには、警察当局と連絡をとり、私服警官(刑事)を配置するなどした話を聞いたことがあります。
伯父は、校長にはなれませんでした。当時の中学生が、大学を卒業して、同じ会社に勤めています。伯父の話を偶然したら、熱心な教頭先生だった。あの時は、ああするしかなかったと思うと言ってくれました。
先生、一人ひとりに、未来の日本を担う、大切な宝物を預かっているという自覚が望まれます。
生徒に威張ったり、保護者に良い格好する先生は信頼できない。
伯父は、毎年、同じようなことを教えているのに、毎日6時間は書斎で勉強していました。生徒以上に勉強しないと、先生は務まらないが伯父の口癖でもありました。
イジメ、無くなるの無理なんでしょうかねぅ。。。
by ちゃぱ (2006-11-11 09:17)
ちゃぱさん nice・コメント 有難うございます。
いじめを全く無くすのは、病気を無くすのとおなじで、困難と思います。
早めの状況判断と、適切な対応で、命取りになることは防げると思います。
by 小父蔵 (2006-11-11 09:29)
本日はご訪問ありがとうございました(^^)。
いじめ自体も、もちろん真剣に取り組まなくてはなりません。しかしこの隠蔽体質をどうにかしないと、本当のことが見えてこないかも知れませんね。
教育委員会とか校長とかって、自分の保身に必死ですね。本当に生徒のことを考えているのか、正直疑問に思います。
by みね (2006-11-11 13:14)
mineさん nice・コメント 有難うございます。
自分の身の安泰のために、不都合なことはなかった事にしようとする校長や教育委員会。その権力に黙って従わざるを得ない先生。
そんなずるくて卑怯な大人の行動を見せられたら、弱い者をいじめてはいけないなんて、なんの説得力もないですね。まず、先生たちの意識改革が先決では?
by 小父蔵 (2006-11-11 13:58)
組織。。というのがネックなんでしょうね。。
by 水郷楽人 (2006-11-12 08:53)
水郷楽人さん nice・コメント 有難うございます。
学校という組織は、誰のためにあるのか?
本質的な疑問が出てきます。
いじめを放置していた、小学校の校長が自殺したらしい。
手に負えなくなると自殺するなんて、いじめに耐えて必死に戦っている子供を見習って欲しいと思うが…。
by 小父蔵 (2006-11-12 21:22)
ishikawaさん nice・訪問 有難うございます。
by 小父蔵 (2006-12-05 13:55)