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捕鯨の是非をめぐり揺れる蔚山

 蔚山で鯨肉論争が再燃した。「もう一度クジラを捕ろう」という動きに、「鯨肉を食べる文化自体を根絶しよう」という主張が対抗している。

 韓国は国際捕鯨委員会(IWC)の捕鯨禁止措置に従い、1986年から座礁(クジラの死体が流されて打ち上げられること)または混獲(偶然網にかかって水揚げされること)を除くクジラ漁が全面禁止された状態だ。しかし蔚山広域市南区の金斗謙(キム・ドゥギョム)区長は7日、「今年5月の蔚山クジラ祭りの際、捕鯨再開署名運動を展開し、政府に提出する計画だ」と語った。体長4メートル以下のクジラ類を魚族に分類し制限付きで捕獲できるよう、水産業法の改正を要求するというわけだ。

写真提供=蔚山市

 蔚山市南区には、かつて韓国の捕鯨前進基地だった長生浦港が位置しており、今でも鯨肉専門の料理店が40軒ほど残っているなど、伝統的な鯨肉食文化の本拠地だ。金区長は「蔚山近海ではイルカが数百頭も群れて泳ぎまわり、イカやスケトウダラなどを片端から捕食している。捕鯨再開は不可避だ」とも主張した。

 これに対し、蔚山環境運動連合は7日、南区庁前で糾弾記者会見を行い、「南区長は、不法なクジラ漁を背後から支援しようというつもりなのか」と非難した。また「捕鯨再開は地域経済の活性化とは関係なく、一部の不法な捕獲業者と流通・外食産業の利益を代弁しようというものだ」と指摘した。

 この団体は「蔚山のクジラ祭りも不法な鯨肉販売イベントの場に転落した。全国の環境団体とともに、クジラ祭りの廃止運動に乗り出すことも検討している」と主張した。

蔚山=学賛(キム・ハクチャン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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