<子育て応援キャンペーン>
◆昨年に引き続き関西フィルを指揮--竹本泰蔵さん
昨年に引き続き「ママと赤ちゃんのゆりかごコンサート」で指揮をするのは、巨匠カラヤンの下で研さんを積んだ竹本泰蔵さんです。「会場内がとても温かい空気に包まれたコンサートで、僕も幸せな気持ちになりました」。穏やかな笑顔を浮かべて、昨年のコンサートの印象を振り返ってくれました。
「会場を眺めてうれしかったのは、椅子の前後の間隔が広くて、ベビーカーとともにゆったり着席できるような気づかいがされていたことでした」。竹本さんの言うようにホテル内とは思えないほど、座席のそばにベビーカーがずらり。ベビーカーの中で気持ち良さそうに眠る赤ちゃん、パパやママのひざの上で手をたたく赤ちゃん。なかには生のオーケストラの音に興奮したのか、大きな声を出す赤ちゃんもいました。人前で赤ちゃんがグズったらママたちはビクビクしてしまうものだけど、この日は特別。竹本さんも「赤ちゃんが声を出すのは当たり前。このコンサートでは気にしなくていいんです。泣き出してもお互いさまですよ」とやさしく語ります。
「ちょっと意外だったのですが、パパの参加も多かったんですよね」。そう語る竹本さんも、大学生の息子を持つ父親。「僕は子どもに同じ道を進ませたいとは思っていなかったので、ピアノなどの習い事はさせなかったんです。でも息子が高校生の時に一度だけ仕事場に連れていったら、演奏者ではなく、コンサートを作る仕事に興味を持ち、音大に進学しました。今では親子で音楽の話をよくするようになりました」と父親らしい表情を見せます。
「とはいえ、赤ちゃんたちにはまだコンサートの音楽的な内容は分からないと思いますが、パパやママたちが音楽でリラックスして笑顔になると、その空気は必ず赤ちゃんに伝わると思うんです。子育てには大変なこともたくさんあるけど、このコンサートでみなさんが心豊かなひとときを過ごしていただけたら。僕もママやパパ、赤ちゃんと一緒に楽しみたいと思います」
70年にヴィエール室内合奏団として発足。82年、関西フィルハーモニー管弦楽団と改称し、03年よりNPO法人として新発足した。常任指揮者は飯守泰次郎、首席指揮者は藤岡幸夫。3月28日に定期演奏会が第200回を突破した。公式ホームページはhttp://www.kansaiphil.jp/
コンサートは2部構成で約90分間です。演奏は今年も関西フィルハーモニー管弦楽団。司会は毎日放送アナウンサーで、1児のママでもある西村麻子さんです。
第1部は、さまざまな色に変化するオーケストラサウンドをたっぷり味わってもらうプログラムです。ロッシーニの歌劇「ウイリアム・テル」序曲より「スイス軍の行進」でにぎやかに幕開け。ビバルディの名曲「四季」から「春」の第1楽章で、弦楽器の豊かな響きを堪能していただき、思わず体を動かしたくなるようなポルカの演奏もあります。
休憩をはさんで第2部では、リズミカルな音楽を赤ちゃんとともに楽しんでいただきます。昨年、ピアソンの「Hip Lips2」の演奏時に客席を3グループに分けてそれぞれ違うリズムの手拍子を鳴らして、演奏に参加してもらいました。竹本さんは「赤ちゃんの手をとって手拍子に参加してくれるママの姿が見られて、すごくほほ笑ましかったんです。今年もぜひやりたいですね」と話しています。
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<ママと赤ちゃんのゆりかごコンサート>
日時 5月8日(木)午後1時(午後0時半開場)
場所 大阪市北区茶屋町19の19 ホテル阪急インターナショナル4階「紫苑」(電話06・6377・2100)
主催 毎日新聞社
協賛 住友生命保険相互会社、ダイキン工業株式会社、総合住宅展示場毎日ハウジング
特別協力 ホテル阪急インターナショナル
出演 竹本泰蔵指揮、関西フィルハーモニー管弦楽団
対象 乳幼児とその保護者(0歳から参加できます)。大人だけでも参加できます。
定員 400人(子ども含む)
参加費 3000円(大人1人につき子ども1人無料、子ども2人目から500円)
申し込み方法 本日午前11時以降、インターネットで「毎日jp 情報たまて箱」と検索し、チケット申し込みフォームへ。または「http://mainichi.jp/sp/box/」と入力してください。携帯電話よりQRコードも利用できます。
問い合わせ 毎日企画推進センター(電話06・6346・8661、平日午前10時~午後5時)
○座席は全席指定席で、ベビーカーと一緒に着席できます。
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■人物略歴
神戸市出身。77年「カラヤン・コンクール・イン・ジャパン」でベルリン・フィルを指揮して2位入賞。独ベルリンなどでカラヤンに学ぶ。関西フィル、京都市交響楽団など全国の楽団を指揮。映画音楽、ミュージカルなど舞台作品にも多数参加。公式ホームページはhttp://www.co-aza.net
毎日新聞 2008年4月7日 大阪朝刊