日本財団、海の上で葬式行事全般を行える世界初の「火葬船」構想を発表
日本財団は7日午後、世界で初めての「火葬船」構想を発表した。
海の上を進む全長およそ80メートルの巨大な船の中には、亡くなった人と最後のお別れをする火葬場がある。
ホールや遺体を焼く施設のほか、駐車場も整備し、葬式行事全般を行えるようにしたいという火葬船。
新しく建造すると、およそ18億円かかるということだが、現行のカーフェリーを改造して費用を安く上げることもでき、さらに、一定の範囲内で海に散骨することも可能だという。
街の人は「できれば、海が好きだから、海に帰りたいという気持ちはあります。だから、いいかなと思う」、「夢があってよろしいんじゃないですか」と話した。
日本の火葬場は、1985年には1万3,000あったが、20年後の2005年には、半分以下のおよそ5,000に減少している。
東京・大田区では、周辺の4区と共同で運営する公営の火葬場がわずか1つで、炉が足らず、火葬を2〜3日待ってもらうときもあるというのが現状だという。
2004年に、公営の火葬場が新しく建設されたが、臨海斎場の吉田太典事務局長は「常時稼働できるのは、4基。今後、死亡者の数が増えてくるということで、炉が不足するということは、十分考えられると思います。炉を増やすという検討を始めたところ」と話した。
日本財団海洋グループの高木純一氏は「火葬船というのは、あくまでも船でございますので、建設用地が必要ございません」と話した。
今回の火葬船構想に大きな関心を寄せているのが、韓国だという。
もともと、土葬が一般的だった韓国では、近年、火葬の割合がおよそ56%に上昇している。
火葬船構想の提唱者、井上文夫氏は「火葬場(の数)が追いつかずに、大変な苦労をしているということが、よくニュースに出ています、外国からは、いくつか問い合わせがあったんですが、いの一番に問い合わせがあったのは韓国なんです」と話した。
(04/07 18:50)