2008年04月08日 更新
「おふくろさん」天国へ 作家・川内康範さん死去
たばこをくゆらせながらインタビューや取材を受けた川内康範さん。晩年はその立派な“耳毛”が若い視聴者の注目を集めた=昭和62年撮影
平成11年10月、鹿児島県下甑島に「おふくろさん」の歌碑が完成し、握手をする川内康範さんと森進一
歌手、佳山明生(中央)の新曲を手がけ意気軒昂な川内康範さん(左)。右はジャケットの題字を書いたアントニオ猪木=19年8月1日
テレビ創成期の人気番組「月光仮面」の原作者で、昭和を代表する名曲「誰よりも君を愛す」「おふくろさん」などの作詞でも知られる作家、川内康範(かわうち・こうはん)さんが6日午前4時50分ごろ、青森県八戸市の病院で亡くなっていたことが7日、分かった。88歳だった。昨年、歌手の森進一(60)との「おふくろさん」改変騒動で時の人となった。最近、体調を崩し入院していた。葬儀・告別式の日取り、喪主は未定。
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関係者によると、川内さんは今年1月中旬、都内のスタジオで行われた歌手、日吉ミミ(60)の新曲のレコーディングに立ち会った。元気な様子でいつもと変わらず、スタッフらと談笑したという。
だが、その後、肺炎を起こし、都内の病院に入院。自宅のある八戸市内の病院に転院し、治療を受けていた。集中治療室に入ることもあり、先週末に容体が悪化。6日早朝、夫人のクリスティーナさんに看取られ、息を引き取った。
東芝EMIのディレクター、プロデューサー時代に「君こそわが命」などで川内さんと仕事をともにし、昨年、川内さん作詞の「おふくろ女房」でコンビを組んだ作詞・作曲家の三佳(みよし)令二氏は、6日朝に訃報を受け、八戸に向かい、遺体と対面した。
サンケイスポーツの取材に「安らかなお顔でしたが、酸素吸入器の跡なのか、鼻にうっ血ができていたのが痛々しかった」と声を落とし、「三佳令二という名前は、先生に命名していただいた。野武士のような方であった一方、ぼくらに対しては思いやりのある温かい方でした」と悼んだ。
昭和33年2月にテレビ放送が始まった「月光仮面」の原作者として売れっ子になった川内さんは、作詞家としても多数の名曲を残した。政治評論や社会的活動にも力を入れ、59年にはグリコ・森永事件の犯人グループ、かいじん21面相に「おれが1億2000万円を出すから手を引け」と呼びかけ、「わしらも 月光仮面 見たで おもろかった」という返事の手紙が来て話題になった。
晩年の川内さんが一気に注目を浴びたのは、昨年2月に勃発した“おふくろさん騒動”。森が「おふくろさん」に語りを加えたことに対し、「もう歌わせない」として、同曲をはじめ、森に提供した全ての楽曲の歌唱を禁止。騒動の間、テレビなどを通し、舌鋒鋭く怒る姿が印象を残した。今年1月には、森が面会を求める手紙を出したが、受け取りを拒否。森とは和解をしないまま、この世を去った。
★「もう歌わせない」絶縁宣言、どうなる「おふくろさん」
騒動は森が一昨年のNHK紅白歌合戦で「おふくろさん」の歌唱前に、「いつも心配かけてばかり いけない息子の僕でした…」などとせりふを加えたことに川内さんが激怒。昨年2月、「おれの歌は歌わせない」と絶縁を宣言した。森は「30年近く(せりふを加えて)歌っており、先生も知っていると思った」と釈明。その後、直接謝罪を求めるも、川内さんは応じず、森側は昨年3月から川内作品の歌唱を自粛している。
一方、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、改変後の「おふくろさん」の利用は許諾できない(森も含め歌えない)とする注意をホームページに掲載。語りの入らない“オリジナル”は従来通り利用でき、「森さんだけに『おふくろさん』の歌唱を禁じるのは法的に不可能」とした。森の「おふくろさん」歌唱再開は、川内さんの許しを得られるかどうか、にかかっていた。川内さん亡き後、森はどんな決断を下すのか。
★森FAXで「願いかなわなかった」
東京都渋谷区の自宅には森のコメントを求め、報道陣が集まったが反応はなし。夜遅くにマスコミ各社に寄せたファクスの中で「おふくろさん」について触れ、「私の思いの至らなかった部分もあり、直接お目に掛かって私の気持ちをお伝えしたいとお願いしてまいりましたが、それもかなわないことになってしまいました」などと綴った。8日にNHKの生番組「歌謡コンサート」(後8・0)に出演。関係者によると、番組内で川内さんの訃報について語る可能性もあるという。
◆「愛は不死鳥」を歌った布施明(60)
「あの歌があったからこそ、今まで歌手をやってこれたと思っております。昨年12月、先生より直接電話をいただき、お会いした時には、とてもお元気そうでした。『また一緒に仕事をしよう。私が書くから、2人で良い作品を出そう』と言ってくださり、楽しみにしていたのですが、突然の訃報を聞き、まことに残念です」
◆内山田洋とクールファイブ時代に川内さん作詞の「逢わずに愛して」を歌った前川清(59)
「厳しさと人間味あふれる優しさをお持ちの先生でした。いただいた作品は、これからも大切に歌っていきたいと思います。心よりご冥福をお祈りいたします」
★和田アキ子 芯の通った方が亡くなり悲しい
歌手、和田アキ子(57)が7日、都内で行われた「発毛日本一コンテスト」にゲスト出演。死去した川内さんについて「びっくりしました。ああいう芯の通った方が亡くなるのは悲しい。でも、こういう時は森(進一)さんに聞いた方がいいんじゃない?」と話した。
和田は同コンテスト主催の毛髪クリニック「リーブ21」のCMキャラクターを務めており、「自分はまだ幸せなことに地毛でやっています。ドライヤーは30年使っていません。すぐ乾くんですよ」と胸を張った。
身重にもかかわらず同コンテストの審査員を務めた所属事務所の後輩、ユンソナ(32)については「あと、2、3日で5カ月になり安定期に入ると言っていました。旦那が裸で寝ていると言っていたから、それで妊娠も早かったのかな」と笑わせた。
■川内康範
(かわうち・こうはん)大正9年2月26日、北海道函館市生まれ。高等小学校を出た後、家具店員、製氷工場などさまざまな職業を転々とする。小説家の中河与一氏に師事し、昭和16年に戯曲「蟹と詩人」でデビュー。33年に始まったテレビドラマ「月光仮面」の原作、50年の「まんが日本昔ばなし」の監修を担当した。作詞家として、第2回日本レコード大賞受賞の「誰よりも君を愛す」、「伊勢佐木町ブルース」などがある。政治評論でも知られ、海外抑留日本人の帰国事業や戦没者の遺骨引き揚げ運動にかかわり、福田赳夫、鈴木善幸、竹下登ら各元首相のブレーンでもあった。平成4年に勲四等瑞宝章を受章した。
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◆福田康夫首相
「昔は時々お会いした。考え方がしっかりしていて、なかなか参考になることをよく言ってくださった。残念だ」