サブカテゴリー

チベット抗議 聖火リレー途中打ち切り

 北京五輪の聖火リレーが7日、パリで行われ、チベット暴動への中国当局の対応に抗議する市民が沿道に殺到。主催者側は混乱を回避するため少なくとも3回にわたって聖火トーチの炎を消し、トーチを伴走のバスの中に移動する緊急措置を取った上、地元報道によると、最終的にリレーの途中打ち切りを決めた。治安当局はリレーを妨害しようとした市民28人を拘束した。

 30人以上が拘束されたロンドンでの6日の聖火リレーに続き、パリのリレーも大荒れとなった。フランス公共ラジオによると、主催者側は「技術的な理由」からトーチの炎を消したとする一方、3月にギリシャで行われた聖火採火式に由来する炎は消えずに残っていると強調した。

 パリでは警官ら約3000人が厳戒態勢を敷いた。聖火の周りでは、警察の車両やオートバイ、ローラースケートをつけた警官らが何重にもなって警戒に当たった。

 聖火はセーヌ川沿いにあるエッフェル塔を出発し、元五輪メダリストら80人の聖火ランナーが、凱旋門のあるエトワール広場やパリ市庁を含む約28キロのコースをリレーする予定だったが、約3分の2を進んだ時点で打ち切られ、聖火はバスで終着点に着いた。

 庁舎内に聖火を迎える式典を予定していたパリ市も、中国側の要請に基づき中止した。

 拘束された28人には国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」(本部パリ)のメンバー数人が含まれている。同記者団は3月の聖火採火式でもメンバーが乱入。新たな抗議行動を予告していた。

 ほかにも「チベットに自由を」などと書かれたプラカードや色鮮やかなチベットの旗を手にした多数の市民が沿道を埋めた。目抜き通りのシャンゼリゼでは抗議の集団が聖火にブーイングを浴びせ、一方、中国の国旗を振りかざす一団は聖火に拍手と声援を送り、辺りは騒然となった。

 聖火ランナーらもチベット情勢を念頭に「より良い世界を」と記したバッジを着用。パリ市は「世界各地の人権を擁護する」との横断幕を庁舎に掲げた。 (共同)

[ 2008年04月07日 01:07 ]

ニュース一覧

クイックアクセス
スペシャルコンテンツ

このページの先頭に戻る ▲