進化するナニワの司令塔 MF二川孝広
風格、貫禄すら漂ってきた。タレント揃いのG大阪で、背番号10だけは黙々と我が道を歩んでいるようだ。3年ぶりのJ1制覇、そしてアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも快進撃を狙うシーズン。MF二川孝広(27)の充実ぶりを見逃してはいけない。
豊富な運動量と敵の急所を突くスルーパス。両足からのミドル弾は観衆のどよめきを誘い、昨季は自己最多の7得点をマークした。寡黙なイメージが強いが、ピッチに入れば“鬼神”と化すこともある。驚きは昨年12月22日。天皇杯準々決勝の清水戦(長居)だった。左サイドでボールをキープすると、攻め上がりが遅れたDF安田理大(20)を一喝。「はよ(早く)上がって来いよ!」。本人は「そんなん言うたかな…」ととぼけたが、徹底して勝負にこだわる『プロ魂』をかいま見た気がした。
下部組織時代からガンバひと筋。「10年やれればホンマに十分」と語っていたプロ生活は“目標”の10年目に到達した。昨年3月以来となる日本代表復帰も大目標だ。「やれることをしっかりやっていくだけ。ちょっとずつでも成長できればいい」。進化するナニワの司令塔。08年の再ブレークを期待したい。(G大阪担当・長田 亨)
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