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クリントン陣営、また失態 選対幹部更迭、悲話も“ウソ” (1/2ページ)
このニュースのトピックス:2008米大統領選
【ワシントン=山本秀也】米民主党の大統領候補指名をめざすヒラリー・クリントン上院議員の陣営で6日、またも失態が相次いだ。南米コロンビアとの「裏取引」が露見した選挙参謀が更迭に追い込まれたばかりか、医療保険制度の不備を訴えるためクリントン氏が好んで使った「亡くなった妊婦さん」の悲話が作り話だった疑惑が浮上。「ボスニア空港狙撃話」に続き、またも話を撤回する事態となった。
民主党全国委員会のディーン委員長は同日、6月末までに党内候補の一本化を図るよう態度を保留中の特別代議員らに呼びかけた。陣営内の失態が相次ぐ中での決断要請は、クリントン氏に対する“逆風”を強めるものとなりそうだ。
クリントン選対は6日の声明で、選挙参謀のマーク・ペン氏が「この数日間の情勢を受けて選対の役職を辞任した」と発表した。ロビイストを本業とするペン氏は、コロンビアとの自由貿易協定(FTA)に反対するクリントン氏の選挙戦略を立案する一方で、同じ内容のFTAの締結に向けた工作を求めるコロンビアの駐米大使とひそかに接触。これを前週末、米メディアにすっぱ抜かれていた。
一方、CNNテレビによると、クリントン氏が遊説先で繰り返していたオハイオ州内で貧困のため医療保険に加入していなかった女性が妊娠時のトラブルで病院を訪れたが診療を拒まれ、死亡した−との話について、名指しされた病院は、「診療記録をすべて調べたが、診療を拒んだ事実はない」との声明を発表した。クリントン陣営では「話を疑う理由はないが、詳細が確認できない」として、以後この話を持ち出さないと説明した。