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北京五輪:聖火リレー、インドでも論争

 【ニューデリー栗田慎一】世界最大の亡命チベット人社会を抱えるインドで、17日に予定されている北京五輪聖火リレーの賛否を巡る論争が熱を帯びている。中国当局によるチベット自治区の暴動鎮圧を不満として、リレー走者5人のうち1人が不参加を表明。五輪の政治利用を批判する走者もおり、今後のリレー通過予定国にも波紋を広げそうだ。

 インドの聖火リレーは、抗議デモを警戒し当初の約9キロのコースを3キロに短縮して行われる。走者の一人でサッカー・ナショナルチーム主将、バイチュン・ブティアさん(31)は1日、「デモに同情を禁じえない」との声明を発表して不参加を明言した。

 声明は、インド社会の議論に一石を投じた。デリーの大学生らが参加、不参加を考えるシンポジウムを計画。走者の一人でインド映画界の著名男優、アミール・カーンさん(38)は「五輪は純粋なスポーツの祭典だ」として政治的な扱いを批判し、「たまたま中国が開催地だが、五輪は中国のものではない」と断じた。

毎日新聞 2008年4月7日 東京夕刊

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