株式こうみる:桜が散るまでのつかの間の好環境=三菱UFJ証券 藤戸氏

2008年 03月 25日 10:48 JST
 
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 <三菱UFJ証券 投資情報部長 藤戸 則弘氏>

 米連邦準備理事会(FRB)が打ち出した資金供給策によって資金繰りの行き詰まりによる破たんの可能性が後退し、海外のファンド勢が金融株売り・コモディティ買いのポジションを巻き戻している。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが急速に縮小しており、「第二のベアー・スターンズ(BSC.N: 株価, 企業情報, レポート)」はどこかと待ち構えていた状況は一変している。日本に関しては年度末特有の動きもあり、海外勢はあえて売り向わないスタンスのようだ。日経平均で1万3000円程度までリバウンドする可能性があるとみている。

 しかし、こうした好環境も桜が散るまでのつかの間だろう。4月半ばには米メリルリンチ(MER.N: 株価, 企業情報, レポート)や米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)の1─3月期決算発表が予定されている。10─12月期よりも収益環境が改善しているとは考えにくく、自己資本のき損問題に再びスポットがあたる可能性がある。続く5月にはヘッジファンドの中間決算も待ち受けており、資金繰り問題から一部ファンドを閉鎖する動きが出てくることも予想される。市場の目が実態悪に再び向うことを想定しておくべきだろう。

 (東京 25日 ロイター)

 
 

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