ネット絡み犯罪2・5倍/県警調べ04年比較
出会い系 被害は未成年
インターネットを利用したサイバー犯罪を扱う県警生活保安課が二〇〇七年中に、窃盗など他部署の担当犯罪に捜査支援した件数が百七十件(前年比三十三件増)に上り、〇四年の六十六件に比べ約二・五倍になっていることが六日までに、分かった。県警は「携帯電話の急速な普及でインターネット利用が社会生活に広く浸透し、あらゆる犯罪に絡む傾向が強くなっている」と分析している。
県警によると、〇七年中にインターネットの出会い系サイトに絡んだ摘発件数は八件で、前年より四件減少したが、犯罪被害者は十二人で前年より四人増えた。被害者はすべて未成年で携帯電話からアクセスしていたという。
全国では同年中に千七百五十三件あり、罪種別に見ると児童買春・児童ポルノ法違反が最も多く、詐欺や強姦のケースもある。
また出会い系だけではなく、ゲームや交流サービスを売りにした携帯電話のコミュニティーサイトが悪用されるケースも増加傾向にあり、県警によると今年一月に発生した宮古島市での児童買春・児童ポルノ法違反事件などは、学校や各種サークル仲間など知り合い同士の交流を目的としたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて加害者と被害者が知り合ったのがきっかけだったという。
県警生活保安課のサイバー犯罪担当者は「あらゆる犯罪に未成年が巻き込まれる危険がある。大人がインターネット利用のマナーを把握し、子どもに正しく理解させることが必要だ」とした上で、「教育機関などと連携し、フィルタリングの活用など犯罪に巻き込まれない対策を推進する」としている。
[ことば]
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス) インターネット上に形成されたオンライン・コミュニティーの一つ。子どもが利用するSNSは、主に友達の輪を広げるためのサイトで、年齢や性別、趣味などのプロフィルを公開したり、サイトで知り合った人とメールでやりとりできる。