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2007年07月25日 10:47
何もないところも設計しています?!
こんにちわ、Oliveです。
そろそろ夏休みですね。皆さん、どんな計画ですか。私は近場の
海に行こうと思っています。ぎりぎりになって特急券を買ったのに
帰りの電車はスーパービュー踊り子の展望車がとれました!
さて、前回、「メガネレンズは丸い」という話をしました。
今回は、レンズ設計ではレンズの内側(レンズそのもの)だけで
なく、その外側のレンズのないところまで考える、という話をした
いと思います。
レンズの設計は、「設計値が決まった、めでたし、めでたし」で
おしまいではありません。設計値が決まっても、すぐに製造に
まわせないからです。
設計値でのレンズ形状は丸い形になっています。つまり、
レンズの外側には何もないことになります。当たり前ですね。
実は、この「なにもない」という状態はレンズの加工機からみると
大事件なのです。加工機にしてみれば、レンズの端はまさに
崖っぷち。そこから先がないので立ち往生してしまいます。
説明図はこちら
そんなとき登場するのが、設計と製造の橋渡しをする設計者です。
橋渡しの設計者は、設計値を加工機に渡すとき、レンズの外側に
もあたかもレンズがあるかのように加工機に思わせるのです。
でも、この技、なかなか一筋縄ではいきません。
本当はなにもないのですから、どこかしら無理が生じます。
うまくコントロールしてやらないと、レンズに悪さをします。例えば、
数値的に形状を再現してみたら、レンズ面がぐにゃぐにゃになってた!
なんてこともあります。
こういった部分の処理も設計者の腕の見せ所ですが、その貢献度は
なかなか表に伝わりにくいですね。
私は密かに、この工程を「無から有を生み出す作業」なんじゃないか
と思っています。