2008年03月14日 19:01
メガネブームは定着したのか?
Oliveです。年が改まり2008年となりました。
今年はもう少しマメにブログの更新をしたいと思います。。。
拙いブログではありますが、本年もよろしくお願い致します。
先週末は「成人の日」でした。地元で、晴れ着姿の新成人女性を
かれこれ4,5人見かけましたが、驚いたことに、そのうちの2人が
メガネで振袖でした。
メガネメーカーの私が驚いているようじゃいけない、と思いながらも、
感慨深くその光景を眺めてしまいました。
特に若い女性の場合、普段はメガネでもハレの日の装いでは
コンタクトにする方が多いと思うのですが、
そのお二人は明らかにメガネがよいと思って掛けているようでした。
普段使っているメガネなのでしょう。
いわゆる、着物に馴染むタイプのフレームではなく、
どちらかというと、着物にはアンバランスな印象のフレームでした。
もしかしたら、振袖でガチガチに決める成人式スタイルを、
メガネでうまく“外す”ことを狙ったのかもしれません。
普段の自分らしさを貫いたのか、それともお洒落の上級テクニック
だったのかは定かではありませんが、とにかく“今っぽさ”に溢れていて、感性の違いというか、若さのエネルギーを感じたのでありました。
(・・・年寄りくさい?)
ここ数年メガネブームと騒がれて、「メガネ男子」だの「メガネっ娘」だの、「萌えメガネ」だの色々出ていますが、結婚式でメガネ姿でウエディングドレスを着る新婦が増えるようになったら、
それこそ本物のメガネブームであると言えるのではないでしょうか。
となると、フレームはやっぱり白?!
2007年12月20日 11:04
レンズカラーでセルフプロモーション ~黒で美しく~
こんにちは。Oliveです。
「メガネレンズと硫黄の意外な関係」で、レンズの染色の話が出ましたので、今回は、メガネレンズは染められるという話をしようと思います。
メガネレンズは様々な色に染められます。
度が入っているサングラスがあればいいのに、と思う方は、メガネレンズを黒(グレイ)や茶色の濃い色に染めれば目的達成です!
黒といえば、今、世の中は、黒はスタイリッシュということで、空前の「黒
ブーム」だそうですね。何と黒いウェディングドレスや、披露宴のカラー
コーディネートが黒、なんて例もあるそうです。
そこで思い出したのが、2年前、若い世代をターゲットにしたコンセプト商品を開発していたときに集めた資料の中にあったNIKITA(艶女=アデージョの造語で有名な女性誌)のメガネ特集記事の一節。
「さらなる裏テクは、グレイ度15%のレンズ使い。瞳はしっかり
見せつつ、薄グレイの落とす影で、ちょい妖艶な目元を演出」
今はやりの黒目を縁取りする使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズとはまた違った趣が狙えそうですね。
この記事に対して、当時私が書いたメモを抜粋します。
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~略~「高級な実用誌」と銘打っているように、記事の内容、すなわちモテるためのテクニックの指南は実に具体的である。
例えば、フレームの説明文は短いにもかかわらず、単なる機能や仕様の紹介だけでなく、そのフレームをかけることでどんな女になれるのか/どんな風に見られるかの効用と解説が必ずついている。
「目的遂行に必要=手段としての消費」を理論的に徹底して説くことをモットーとするNIKITAの姿勢が読み取れる。
私が感心したのは、「さらなる裏テクは、グレイ度15%のレンズ使い」という一文の15%という具体的数値である。
女性誌ではあまりこういうアプローチは見かけないように思うが、男性誌(Leon)から派生した雑誌だからだろうか。
あまり眼鏡に馴染みのない一般読者は、ここで、眼鏡のレンズは染色できること、濃さを選べること、選ぶなら15%くらいがよさそうなことを知り、眼鏡店に行ったときに、ただ陳列されている商品を眺めるのではなく、この知識を元に「15%の濃度のレンズを試したい」と能動的にコミュニケーションが図れる。
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NIKITA、すごいです。
普通、「あなたに似合うのはピンクです」、「オレンジのチークが血色をよく見せます」という説明はあっても、数値は入って来ません。
唸りました。
具体的で実用的、かつ、きっかけを提供するような情報って、消費者には有難いと思います。
レンズカラーはグレイ以外にもいろいろありますので、ご自分の肌の色に合った色や濃さを探してみるのはいかがでしょう。
http://www.vc.hoya.co.jp/lens/color_arriate.html
信頼のおける眼鏡店の店員さんと「こちらの色の方がもっとキレイに見えますよ」、「意外に似合ーう!発見!」なんて会話を交わしながらセレクトしていく。
そんな風にメガネを選んだら楽しい時間を過ごせそうですね!
★スポーツやビジネスシーン向けのカラーレンズもあります。
http://www.vc.hoya.co.jp/lens/color_multigear.html
2007年12月05日 11:21
メガネレンズと硫黄の意外な関係
こんにちは。Oliveです。
夏に温泉に行ったときに、メガネレンズと硫黄の関係の話をすると言い
ながら、早、季節は冬・・・。すみません。言い訳はすまい、という訳で
前振りは省略してすぐに本題に入りましょう。
ものにもよりますが、メガネレンズには硫黄が含まれています。
その透明な姿から考えると業界以外の方にはちょっと想像しがたいかも
しれません。
硫黄を入れる目的はズバリ、レンズの屈折率を上げるためです。
屈折率が高いと光を沢山曲げることができるので、レンズを薄くできるからです。
近視や遠視の度数の強い方はその恩恵を十分実感できるでしょう。
さて、「硫黄」と聞くと、皆さん、最初にどんなことを思い浮かべますか。
・硫黄の入ったレンズって臭くないの?
・硫黄が入ると色は黄色くならないの?
といったあたりではないでしょうか。
最初の質問ですが、「臭くない」が答えです。試しに匂いを嗅いでみて
下さい。臭くないですよね。でもこれは製品になっているときの話。
作っている最中は、・・・匂います。生産現場の方々、ご苦労さまです。
そして、メガネに加工するためにレンズを削るときも匂います。
加工される眼鏡店の方々、頭が下がります。
2つ目の質問の答えは、そう、黄色くなります。まっ黄色ではありません
が多少着色します。でも、見た目でそれと分かることはまずないでしょう。
レンズの着色は屈折率が1.6程度までならあまり影響ないのですが、そ
れ以上に屈折率を上げたいときは、硫黄原子を2個、3個、とくっつけて
(結合させて)導入しないと屈折率が上がりません。差し詰め、タグを組
ませてパワーアップさせるようなイメージでしょうか。このときに着色しや
すくなります。
硫黄原子は、1人のとき(分子中の硫黄原子が1個の化合物)はおとなし
いのに、群れると俄然、黄色くなりたい欲求がうずうずしてくるのです※。
そこで、高屈折率レンズの開発では、いかに硫黄を手なずけるかがポイ
ントになります。担当者は、着色をなるべく少なくするためにはどのよう
な形で硫黄を導入するのがよいのかを考えながら開発しています。
素材開発の難しさはそれだけにとどまらず、「屈折率が上がると色にじ
み(色収差)が生じ易くなる」というジレンマとのと戦いでもあります。
さらに苦労話を付け加えると、「高屈折率レンズはレンズの染色が難し
くなる」という難点もあります。
大きな原子である硫黄がレンズ素材の中に密に入っていると、染料が定
着する部分が少なくなるからです。つまり、とても染まりにくいレンズに
なってしまうのです。
高屈折のレンズは欲しいけれど、染まらないレンズは困る。あちらを立て
ればこちらが立たず、で新素材のレンズを開発する時は、素材開発のグ
ループと染色のグループとが協力し合って(加工性の問題もあるので、
研磨加工のグループも!)協同作業で開発にあたっています。
いろんな所でいろんな方が関わっているんですね。
※(おまけ)黄色く着色する原因について
弊社の素材のプロに聞いてみたところ、「着色の原因は硫黄原子のd軌
道の電子が共鳴するためと考えてください。」と言われ、簡潔に集約され
た美しい説明に思わずひるんで無言に・・・(汗)。
私の化学の知識は高校理系クラスレベル+αですが、言わんとするこ
とはかろうじて分かります。そういえば大学で、SP3混成軌道だとかの式
が教科書に載っていたことを思い出しました。
今や、語感だけの記憶ですけれど。
2007年09月25日 13:59
メガネレンズは大吟醸?!
こんにちは。Oliveです。
味覚の秋になってきましたね。私は、量こそ飲めませんがお酒は好
きです。味もさることながら飲むときの雰囲気も好きで、学生時代の
飲み会でウーロン茶だったにも関わらず真っ赤な顔で騒いでいたの
で「うそ!お酒一滴も入ってないの?!」と驚かれたことがあります。
昔はシラフでも酔えましたが、今は・・・。
と、さておき。前回予告したレンズと硫黄の関係の話をする前に
ちょっと箸休め。
メガネレンズの「枠入れ」にからんだ話です。
メガネレンズは最終的にフレームの中に納まって使われる製品です。
なので、フレームに入らない部分はカットされます。つまり、丸いレンズのうち、実際に使われるのは中心付近だけです。
小振りのフレームが流行っている今だと、ある意味、もったいないで
すよね。消費者の立場で考えると、使わない所の分だけ安くしてよ!
なんて思ってしまうかもしれません。(実際にはそうはいかないので
すみません。)
そうしたら、元上司曰く「酒に例えるなら大吟醸みたいなものだ。」
なるほど~!大吟醸とは、原料米の外側を削り、中心付近の美味し
いところだけで作った日本酒のことです。大吟醸だと思えば、ちょっと
贅沢な気持ちになりますね。なりますネッ。(念押し)
以上は単焦点レンズの場合ですが、累進屈折力レンズ(遠近両用レ
ンズなど)になると、もっといいことがあります。
累進屈折力レンズは、単焦点レンズに比べて、「収差」という見え方の
質を悪くする要素の影響が大きいのですが、一番大きな「収差」が現
れる部分(鼻側寄りのやや下の方)は、枠入れするときに丁度上手い
具合にカットされてしまうのです。
累進屈折力レンズの場合、カットされて捨てられる部分があることは、
あながち捨てたもんではありませんね。
2007年08月17日 09:48
実はメガネでお風呂入ってます・・
こんにちは。Oliveです。毎日とても暑いですね。
先週、夏休みで伊豆に海水浴に行ってきました。勿論、温泉も堪能。
今回は温泉にちなんで、メガネとお風呂をテーマにお届けしたいと
思います。
メーカーの人間である私が大きな声では言えませんが、実は、普段、
メガネを掛けたままお風呂に入ってます。小さな子供と一緒に入るの
で、とてもメガネなしでは危なくて入る気になれないからです。
とは言え、新品やよそいきのメガネで入る勇気はないので、古いメガ
ネをお風呂用にしています。
このお風呂用メガネ、旅先での初めての大浴場や、岩がゴツゴツして
いる露天風呂などでも大活躍!旅先ではコンタクトのまま入ることも
ありますが(それはそれでコンタクト部門の人に怒られたりして。)、
そうでないときはメガネ持参で入浴。だって、露天風呂で何も見えない
と悲しいし・・。
それより何より、よく見えなくて出先の風呂場で転んで思わぬ怪我で
もしたら、「恥ずかしい」を通り越して危険ですよね。
プラスチックレンズは高温(55℃以上)を嫌うので、お風呂での使用は
レンズとフレームが傷むリスクを避けられませんが、眼の悪い人にとっ
てみたら、風呂場での安全確保が最優先事項。そうは言っていられま
せん。
私のようにお風呂でメガネを掛けることのある方、できれば、履き古し
た靴を雨の日用におろすように、眼鏡を新調したときに前のメガネを
「お風呂用」にするとよいでしょう。心置きなく入浴できます。
以下、お風呂でのメガネの傷みを最小限に抑えるポイントをご紹介
します。
【水ヤケに注意】
メガネレンズには反射防止コートや傷がつきにくくなるコート膜がつい
ています。レンズの表面に水滴がついたまま放置すると、「水ヤケ」と
言って、レンズに水跡がシミのように残って取れなくなります。
お風呂を出たらすぐにメガネ拭きで拭きましょう。
【水やお湯の中に漬け置きにしない】
かくいう私は、レンズが曇ってくると湯船でジャブジャブとゆすいで
しまいますが(こんなこと書いてよいのだろうか。。)、漬け置きは
いけません。コート膜が弱くなってはがれやすくなります。
特にお湯は水分がしみ込みやすくなるのでお気をつけ下さい。
温泉や、入浴剤を入れた家庭のお風呂でジャブジャブしたときは、
必ず水洗いして成分を落としましょう。
【石鹸でレンズを洗わない】
お風呂のついでにレンズでも洗っとくか、はいけません。
石鹸やボディソープなど、アルカリ性や酸性の洗剤は使用しないで
下さい。コート膜が劣化し、はがれる原因となります。
どうしても使うならメガネ専用の洗剤か、中性洗剤をお使い下さい。
(それならお風呂の外でできますね。)
あ、中性洗剤だからと言って直接つけないで下さいね!
水で薄めて使用して下さい。
基本的に、日常的なお手入れは水洗いで十分です。
【サウナで掛けるのはやめましょう】
さすがにサウナはメガネへの負担が大きすぎます。
サウナでのご使用はおやめ下さい。
【入浴後:化粧品、整髪料、ヘアスプレーがついてしまったら】
すぐに水洗いしてよく落としてから、メガネ拭きでふき取って下さい。
そのままにしておくとコート膜がはがれたりレンズにシミ等が残ります。
ところで、温泉といえば硫黄。実は、硫黄と眼鏡レンズは深~い関係
があります。次回、その話をしようと思います。
2007年07月25日 10:47
何もないところも設計しています?!
こんにちわ、Oliveです。
そろそろ夏休みですね。皆さん、どんな計画ですか。私は近場の
海に行こうと思っています。ぎりぎりになって特急券を買ったのに
帰りの電車はスーパービュー踊り子の展望車がとれました!
さて、前回、「メガネレンズは丸い」という話をしました。
今回は、レンズ設計ではレンズの内側(レンズそのもの)だけで
なく、その外側のレンズのないところまで考える、という話をした
いと思います。
レンズの設計は、「設計値が決まった、めでたし、めでたし」で
おしまいではありません。設計値が決まっても、すぐに製造に
まわせないからです。
設計値でのレンズ形状は丸い形になっています。つまり、
レンズの外側には何もないことになります。当たり前ですね。
実は、この「なにもない」という状態はレンズの加工機からみると
大事件なのです。加工機にしてみれば、レンズの端はまさに
崖っぷち。そこから先がないので立ち往生してしまいます。
説明図はこちら
そんなとき登場するのが、設計と製造の橋渡しをする設計者です。
橋渡しの設計者は、設計値を加工機に渡すとき、レンズの外側に
もあたかもレンズがあるかのように加工機に思わせるのです。
でも、この技、なかなか一筋縄ではいきません。
本当はなにもないのですから、どこかしら無理が生じます。
うまくコントロールしてやらないと、レンズに悪さをします。例えば、
数値的に形状を再現してみたら、レンズ面がぐにゃぐにゃになってた!
なんてこともあります。
こういった部分の処理も設計者の腕の見せ所ですが、その貢献度は
なかなか表に伝わりにくいですね。
私は密かに、この工程を「無から有を生み出す作業」なんじゃないか
と思っています。
2007年06月20日 12:14
技術者レポートとマーフィーの法則
こんにちは。Oliveです。
この1ヶ月とても忙しく、なかなかブログが書けませんでした。
実は先日、年に一度の「技術者レポート発表会」という社内
コンペがありました。開発職の社員が自分の1年間の仕事を
レポートにまとめ、発表形式にて成果を競い合うというものです。
新人の頃は、業務時間中にじっくり時間をかけてレポートを書
いたり、プレゼンを準備できたりしたのですが、年々、集中した
時間を確保するのが難しくなってきて、今では「一体いつ書け
ばいいの~(泣)」という感じです。周りを見ていても皆そんな
雰囲気です。それでも皆さん、ちゃんと素晴らしい報告にまとめ
上げてくるんですよね・・・(遠い目)。
何とか必死に時間を作り出そうとしているときに限って、どかどか
別の業務が舞い込む。その他、
・子供が熱を出して保育園から呼び出しをくらう。
・歯に被せていた銀が突如とれる。
・研究協力先への装置の搬入がとんでもなく前倒しになり、立会い。
・その装置が搬送中に故障。修理の立会い&検収。
・子供、泥んこのついた手で目をこすって赤く腫れていると保育園
から電話。眼科に連れて走る。 e.t.c.
こんな具合の1ヶ月で、「まるでマーフィーの法則だ。」と思って
いましたが、もし技術者レポートがなかったら、これらの出来事は
大変ではあってもさして気にならなかったかもしれません。とする
と、単に主観の問題でしょうか。
今、束の間の解放感に浸っています。でも、課題が目の前に
山盛りです。気持ちを切り替えて、また1年仕事に取り組んで
行こうと思います!
2007年05月29日 13:42
メガネレンズは丸い
実は、眼鏡レンズは丸いです。「そんなこと知っているよ!」と
思いますか。それとも、「え?そうなの?」と思いますか。
よくよぉく考えると当たり前なのですが、入社して初めて丸い
メガネレンズを見たとき、私は一瞬驚きました。裏をかかれた
気持ちといいますか。
虫眼鏡や双眼鏡、カメラのレンズが丸いのは頭で分かっている
はずなのに、なぜかメガネレンズは最初から眼鏡の形でイメージ
していました。今では笑い話なのですが、自分の中では牛タンに
通じるものがあり・・・。(牛タンの1枚1枚が舌だと思っていたので、
本物を見て仰天した。)
新人研修での工場実習中、まん丸でキレイなレンズがずら~っと
並んでいる光景は壮観でした。眺めていると気分はもうカラス。
(カラスは光るものが好き。)グラデーション染色がついている
不良レンズが廃棄用の箱の中に無造作に捨てられていようものなら、
そっともらって帰って(やってませんよ!)ビーズやタイルと組合わ
せてオブジェでも作ろうかという気になりました。
一般の方は、あまり丸い眼鏡レンズを目にする機会は少ないでしょう。
こんな感じです。
画像はこちら
ちょっと新鮮な驚きがありませんか。 ・・・って、私だけ?
私が実習で見たのは、レンズがぎっしり入った、人の背丈ほどもある
大きなラックが幾つも連なっている光景でした。
今でも丸レンズを眺めると、きれいだなと思います。
2007年05月29日 11:40
メガネレンズを熱く語れるか?
このブログを始める前に、営業部の若手とメガネレンズは世の中の人
にどういう商品だと思われているか話し合ってみました。すると、
「メガネって自動車なんかと比べると商品的にいまいち弱いよね…」
という意見。
まあ、少なくとも派手な商品ではないですよね。
メガネが話題になるときは、フレームの方に目を奪われがちですが、
逆に言えば、それだけレンズは分かりにくいということなのでしょう。
実際、自分の眼鏡レンズのメーカー名を分かって掛けている方は
ほとんどいないと思います。
私もメガネを掛けていますが、入社するまで自分のメガネがどこの
メーカー製でどんなレンズかなんて、全く関心ありませんでした。
でも、同じレンズでも、カメラレンズだと、巷でも熱く語られている
ような気がします。使っている方の“こだわり”、“思い入れ”も
ありそうです。
カメラレンズ=ハイテク、技術の結集というイメージがありますよね。
まさに、レンズはカメラの命!という感じです。
では、メガネレンズは?
メガネレンズは、カメラのズームレンズのように、何枚ものレンズで
構成されているわけではありません。眼鏡レンズの光学面は、
表面(凸面)と裏面(凹面)の2面だけです。
カメラに比べたらたったの2面。そんな制約のある中で、目にとって
最高の見え方を提供すべく、各メーカー、日々研鑽しています。
この10年、自由曲面を磨く製造技術の向上に伴って、設計の
バリエーションも拡がってきました。
手前味噌ですが、HOYAの場合、両面複合累進という、世界で
初めてのまった新しい思想で設計された
累進屈折力レンズがあります。
2面だってここまでできる!と言いたくなるようなレンズです。
画像はこちら
設計技術以外にも、メガネレンズには、出来上がるまでに一般の方が
あまりご存じない様々な技術が使われています。
このブログでは、知ってビックリ、見てビックリ、とは行かないまでも
読んで楽しく、ちょっぴりためになって、ご自分のメガネとレンズに
“愛着”と“思い入れ”を感じていただけるような、また、メガネを掛けて
いない方もメガネに興味をもっていただけるような、そんなブログを
目指して静かな情熱で語ってみたいと思っています。