話題

文字サイズ変更
ブックマーク
Yahoo!ブックマークに登録
はてなブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷
印刷

クロマグロ:「地の利」生かし養殖日本一に 長崎

「完全養殖クロマグロ」が産卵、ふ化した稚魚
「完全養殖クロマグロ」が産卵、ふ化した稚魚

 長崎県がクロマグロの養殖規模を拡大し、2013年までに日本一の生産県になる計画に乗り出すことを決めた。養殖漁場を広げ、新規業者を積極的に受け入れるほか、完全養殖の技術開発や業者への資金援助なども実施。“マグロ王国”確立を目指す。【宮下正己】 

 マグロの国内消費量(約6万トン)に養殖マグロが占める割合は6%程度だが、現在は世界的に需要が急増。一方で、乱獲による資源減少防止のため国際的な漁業規制強化が進んでいるため、大手水産業者も養殖に注目し始めているという。

 養殖マグロは国内で3530トン(06年)生産されているが、6割近くを鹿児島県(2000トン)が占め、長崎県は2位の約500トン。

 しかし、長崎県はサバなどマグロ養殖用の餌が豊富で、海岸線が国内で2番目に長く、入り江が多いため養殖に適した海域が多い。

 さらに、県周辺海域はマグロの幼魚(0歳、200~800グラム)の回遊経路。成長すれば青森県沖で有名な「大間のマグロ」など超高級魚に化けるだけに、「目の前を素通りさせるのはもったいない」と、これを獲って育てるなど、養殖量を一気に増やすことにした。

 県内には18カ所(108ヘクタール)のマグロ養殖漁場があるが、計画では新規を含め漁場拡大を促進。幼魚の需給調整をしながら乱獲も防ぐ。13年までに生産量2000トン、生産額約70億円が目標だ。

 ◇ことば マグロ養殖

 一般的な養殖は、200~800グラムの天然の幼魚を捕獲し、沿岸のいけすで成長させる。餌はサバやイワシなどで、3年後には50~60キロになる。69年に長崎県で国内初の養殖試験を実施。卵をふ化させ成魚まで育てる完全養殖は難しいとされていたが、近畿大が02年に成功。国も量産技術開発に取り組んでおり、長崎県も養殖規模拡大計画に盛り込んでいる。

毎日新聞 2008年4月7日 2時30分(最終更新 4月7日 11時31分)

検索:

関連記事

4月7日クロマグロ:「地の利」生かし養殖日本一に 長崎写真付き記事

話題 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報