京都大病院(京都市左京区)が「医療安全上の問題」から心臓血管外科手術を一時自粛していた問題で、外部の調査委員会(委員長=今村洋二・関西医大枚方病院長)が7日、院内の意思疎通が不十分でチーム医療が確立できていなかったとする報告書を公表した。事実上更迭され辞職した米田正始・元診療科長の姿勢が大きく影響したと指摘する一方、「長年見過ごしてきた病院の体質も問われるべきだ」としている。
京大病院は06年12月~07年5月、同科の手術を自粛。これを受け設置された調査委は00年以降の手術成績を検証し、米田元診療科長や同僚医師、看護師から聞き取り調査した。
その結果、米田元診療科長が積極的に実施した重症患者の手術について、麻酔科医や看護師と十分に話し合いをせず手術を受け入れた▽手術症例数の増加のみに目標を置いたのではないか--などと指摘した。【朝日弘行、谷田朋美】
毎日新聞 2008年4月7日 大阪夕刊