【特別企画】
IT派遣で幸せになる!
(6) IT派遣で幸せに働くために重要なこと
2008/04/04
派遣エンジニアは1つの生き方だ
もしあなたがIT業界に入って、まだ日が浅い派遣エンジニアであれば、何年もIT業界で働いてきた正社員エンジニアと比べて、スキル面で劣るのは仕方ないかもしれない。しかし、正社員エンジニアに対して、引け目を感じる必要はない。
派遣エンジニアとして働くこととは、「派遣でしか働けない」=「正社員よりも能力が劣る」とか、「派遣でしか働かない」=「働くことを大切だと考えていない」とか、そういうことではない。
ちょっと大げさかもしれないが、派遣エンジニアはライフスタイルであり、一種の働き方であり、1つの生き方なのだ。今回は、派遣エンジニアとして幸せを感じながら働くために、何が重要なのかを考えていきたい。
26.自分のペースでオンとオフのメリハリをつける
派遣エンジニアと正社員エンジニアを比べたとき、派遣エンジニアのアドバンテージの1つに、自分のライフスタイルを働き方に反映させやすいという点が挙げられる。
たとえば、子供が生まれたときのことを考えてみよう。最近は育児休暇制度もずいぶん広まってきたので、女性だけでなく、男性も育児休暇をとることができる企業も少なくない。ただ、「自分が休んでいる間に、周囲に迷惑をかけてしまうのではないか」と思ってしまい、なかなか制度を利用しづらいこともあるだろう。
一方、派遣エンジニアなら、ライフスタイルに合わせて労働時間を調節することが比較的簡単だ。新しい案件を選択するときに勤務時間帯を自分で選ぶことができるし、「残業なし」と明示されている案件を選べば、基本的に残業なしの定時で会社を出ることができる。また、契約更新を重ねる案件なら、更新時に契約を更新せずに仕事から一時的に離れることも可能だ。当然ながら、その場合は自分がその案件を離れた後も滞りなく業務が進むように、最大限の配慮をする必要はあるが。
もちろん、自分のライフスタイル優先で勤務時間が短い案件ばかり選んでいると、IT業界のトレンドから取り残されてしまう危険性もある。適度なバランスを取ることが重要だろう。長期にわたって仕事から離れるなら、業務関連の情報収集を怠らないようにしたり、新しいスキルを身につけたり、仕事に復帰した後のことも考えておく必要がある。
いずれにせよ、派遣エンジニアはキャリアの中でオンとオフのメリハリを付けやすい立場にいる。うまく利用したい。
27.“使える人材”であり続けるために、どうすればいいかを考える
「派遣エンジニアは有期雇用だから、不安定で、ライフプランを立てづらい」という声を耳にすることがある。しかし、実際には、腕の立つ派遣エンジニアはIT業界では貴重で、まさに引く手あまたである。派遣会社に「次にあの派遣エンジニアを斡旋してもらえるのはいつか」という問い合わせが来るような派遣エンジニアもいるのだ。
正社員エンジニアとして働いていると、自分とは関係の薄いところで起こったことが原因で会社が傾いたり、自分の業務内容が変わらざるを得なかったりする。一方、IT業界で腕利きの派遣エンジニアとして評価されていれば、IT業界トップクラスの企業を選んで働くことも可能だ。正社員エンジニアと派遣エンジニアのどちらが安定しているか、一概には言えないのだ。
ただし、派遣エンジニアとしてIT業界で働くなら、常に心に留めておきたいことが1つある。それは、“使える人材かどうか”だ。もし“使えない人材”という評価を下されると、同じ派遣先企業からは当然声がかからなくなるし、もし多くの派遣先企業から“使えない人材”だという評価が下されれば、派遣会社からの評価も下がり、就ける案件がメインストリームから外れてしまう。
“使えない人材”という評価を下されないためには、現在のIT業界で必要とされているスキルだけでなく、近い将来にメインストリームになりそうな技術とスキルを常にリサーチし、周辺知識をどん欲に吸収して、関連スキルを効率よく身につけておくようにしたい。そうすれば、“使える人材”であり続けることは、それほど難しくないはずだ。
28.案件は上手に選べ
案件を選択する基準としては、業務内容・勤務時間・賃金の3要素を重視する人が多い。もちろん、この3要素は重要なのだが、これだけで案件を選択すると、「実は条件がよかった案件」を見逃してしまったり、「実は条件があまりよくない案件」をつかんでしまったりするケースが出てくる。
上記の3要素以外に重要な要素としては、まず通勤時間が挙げられる。片道1時間半かかる派遣先企業Aと、片道30分で通える派遣先企業Bの2つを比較してみると、1日で往復2時間の差が出てくる。1ヶ月に20日間働くとすれば、月に40時間である。もしこの40時間を全部時給1500円の残業にあてられるとしたら6万円だ。つまり派遣先企業Bの方がギャラが安いとしても、残業などで取り戻せる可能性がある。実際にはそれほど単純にはいかないが、通勤時間の長い派遣先企業Aを選択すると、体力面でも消耗が大きいので、長い目で見たときには派遣先企業Bの方がいいことも十分ある。
また、諸条件がほとんど同じ案件が複数ある場合は、派遣先企業の規模を目安にするのもいい。大企業なら、労働環境が快適だったり、社員食堂など福利厚生施設を派遣エンジニアにも開放していたりする。一般的に大きな企業ほど正社員エンジニアと派遣エンジニアの(業務以外での)扱いの差は少ない。
選択肢が絞り込めないときは、派遣会社のコーディネーターに意見を求めてみてもいい。コーディネーターなら、派遣先企業の雰囲気や派遣実績なども熟知しているので、希望を伝えれば、どの案件が自分に向いているかを考えるヒントをくれるだろう。
29.目標となるITエンジニアをネットで見つける
派遣エンジニアは、比較的短期間に勤務先を移ることが多い。正社員エンジニアと異なり、一定期間後にはいなくなることが前提で業務が組まれているため、勤務先での情報交換は制限を受けやすい。業務に関してどういう方向に進むべきか、迷ってしまったときに相談できる相手が少なくなりがちだ。
そんなときは、ネットを利用したい。ネット上には優れたITエンジニアがたくさんの情報をブログなどで公開している。特定言語の特定の処理について書かれたソースコードを読んで勉強するのもいいし、ITエンジニアとしての心がけを書いているエントリを読むのもいい。
中には、尊敬したくなるようなスキルを持ったITエンジニアも見つかることだろう。もし自分と業務の方向性に共通点があるなら、その人を目標にして頑張ってみよう。もちろん、何もかも真似する必要はないし、同じ方向に進む必要もないが、“心意気”はきっと参考になるはずだ。
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30.派遣先企業の満足度を重視
本連載の最後に、IT業界で働く派遣エンジニアにとって、もっとも大切なことを挙げておこう。それは、派遣先企業の担当者に「この人に来てもらってよかった」と思ってもらうことだ。これが、派遣エンジニアとして働くあなたの“幸せ”に必ずつながるからだ。
派遣先企業からの評価が高いと、同じ会社からさらに高度な案件を回してもらえる可能性が高まる。もし同じ会社から案件をもらえないにしても、顧客満足度の高いITエンジニアとして派遣会社での評価は高まり、好条件の案件を紹介されやすくなるわけだ。
本連載で挙げてきた項目はすべて、最終的には派遣先企業に満足してもらえる人材になることに通じる。これはもちろん、派遣先企業に従属することを意味しない。あくまでも派遣エンジニアとしてIT業界で自立的・主体的に生きていくために、その方法として派遣先企業の満足度を上げていくのだと考えて欲しい。
ドイツの哲学者であるカントは「もっとも平安な、そして純粋な喜びの1つは、労働をした後の休息である」という言葉を残している。デスマーチや過労死、うつ病、新3K職種など、IT業界全体を覆う影にただおびえるのではなく、カントの言う労働と休息の両方をバランスよく取るためにも、派遣エンジニアという“生き方”を検討してみてはどうだろうか。
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