経済
金券ショップ、ネット普及で縮む市場
市場縮小に対応して、米ドルの両替サービスも始めた金券ショップ=神戸市内 |
JRや私鉄の切符、映画のチケットや商品券などを割安で販売する「金券ショップ」市場が縮小している。高速道路のノンストップ料金収受システム(ETC)やインターネット上のオークション、携帯電話による割引サービスなどが普及し、紙のチケットが減少しているためだ。全国的に業者数も減少。一部には外貨両替サービスを始めるなど、金券以外で収益を上げる動きも進む。(末永陽子)
全国で三十店舗近くを展開する甲南チケット(大阪市)。神戸市内の店員は「買い取りを求めるチケットを店内に持ち込む客は、徐々に減っている。自分で決めた額で販売できるネットオークションが普及した影響が大きい」と嘆く。
全国の金券ショップ業者らでつくる日本チケット商協同組合(東京都)によると、一九八〇年代には東京都内に既に多くの金券ショップがあったという。八〇-九〇年代にはバブル景気を背景に、ビジネス需要が高まり、店舗数が拡大した。
しかし近年、人気に陰りが見え始めた。
二年前、高速道路にETCが導入され、ハイウエーカードが廃止に。さらにJR西日本などが、携帯電話やパソコンから割引価格で新幹線の指定券を予約できる会員制サービスを始めたことも、金券ショップで扱う回数券の需要を減らしている。
神戸市内に二店舗を構える金券ショップは「ハイウエーカードは売り上げの二割を占める主力商品だった」と嘆く。「三年前と比べて、全店舗の総売り上げは15%落ち込んだ。業界では今後、一店舗当たり5-10%ずつ減少していくという見方が強い」という。
「金券市場は十年前に一兆円規模という説だったが、今は二-三割落ち込んでいるといわれている」と日本チケット商協組は明かす。
◇
市場の縮小で業者の廃業も続いている。
同協組が設立された九九年以降、金券ショップの加盟数は二〇〇五年の三百四社、六百三十二店舗をピークに右肩下がりとなっている。今年二月末時点で二百六十五社、五百五十四店と、15%近く落ち込んだ。
このため、業者の中には新たなサービスを模索する動きが出てきた。甲南チケットは二〇〇四年から外貨両替サービスを始めた。「銀行レートより一円安く販売し、一円高く買い取るとアピールしている」(甲南チケット)。
同協同組合は「今後は別の事業で、金券の売り上げ減をカバーする業者が増えてくるのでは」とみている。
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