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京大病院調査委、米田元教授の姿勢を問題視

 ◆「チーム医療確立できず」

 京都大病院が2006年末から約半年、心臓血管外科の新規手術を差し止めた問題で、米田(こめだ)正始(まさし)元教授が科長だった時期の症例を検証した同病院の事例調査委員会は7日、「症例数の増加のみに目標を置き、チーム医療を確立できなかった」と、責任者としての認識不足を指摘する報告書を公表した。

 外部の専門家6人による委員会は昨年7月から、医局運営や手術成績などを調べた。報告書では、データ分析結果などは示さず、米田氏について論評。「協調性が乏しく、自分の方針を貫き、周囲への配慮に欠けた」として、基本的な姿勢や資質の問題が同科のチームワーク不足を生んだ、と結論付けた。委員長の今村洋二(ひろじ)・関西医科大教授は「手術成績は重症例を除いて問題ないが、集中治療室のスタッフや看護師らと手術の協議をしていないなど疑問は大きい」と話した。

 報告書は京大病院側についても、「米田氏の問題点を長く見過ごしてきた体質が問われる」と批判した。

 米田氏は「報告書の記述に疑問は残るが、提言内容は手術の糧にしたい」とのコメントを出した。

 米田氏は昨年4月に科長から解任された。不服とする訴訟を京都地裁に起こしたが、昨年8月、「科長に復職させ、翌日に退職する」という内容で和解。米田氏は現在、神奈川県の大和成和病院に勤務している。

2008年4月7日  読売新聞)

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