ここから本文エリア 「資質に疑義」 京大病院移植ミスで第三者機関が報告書2008年04月07日 京都大学医学部付属病院で06年に起きた脳死肺移植のミスによる死亡事故に関連し、心臓血管外科の診療状況を調べていた第三者機関の同病院事例調査委員会(委員長・今村洋二(ひろじ)関西医大付属枚方病院長)は7日、報告内容を発表した。同委員会は、同科長だった米田正始・元教授に「医療者としての基本的な姿勢、資質に疑義」があったためにチーム医療ができなかったと判断、見過ごしてきた京大病院の体質も批判した。 報告書によると、米田元教授は重症患者を積極的に受け入れて手術していたが「協調性に乏しく医師としての倫理観に若干の問題があった」とした。毎週のように予定外の手術が入ったり、手術時にガーゼの置き忘れが増えていたりしたことから、意思疎通がおろそかになっていたと判断。手術回数を増やすことを優先させたのではないかと断じた。 さらに、京大病院内に「功名心にはやる専横な振る舞いを長年にわたり許し続けてきた温床があるのではないか」と指摘。改善策として、各医師や看護師らの間の協力関係の確立を図ること、患者の安全を最優先に医療の安全や質の向上に努めることなど4項目を挙げた。 今村委員長は「リーダーの姿勢がチームワーク不足に大きな影響を与えていた」と判断。病院の今後の取り組みについて「患者に対する医療安全が本当に担保されているのかが問われている」と記者会見で話した。 昨年9月に京大病院を去った米田元教授は「報告書の記述には疑問が残りますが、提言を明日からの手術の糧にしたく思います」と文書を出した。 中村孝志・京大病院長は「今後とも、一層安全で質の高い医療に取り組む所存であります」とコメントした。 米田元教授が絡んだ事例で、再手術が増えたため、同病院が外部に調査を依頼。同委員会は昨年7月から3回開かれ、米田元教授ら関係者へのヒアリングなどを実施して報告書にまとめた。同病院には3月14日付で提出された。
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