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2008年03月25日

身内が「裏切り」!? 詐欺行為認める答弁書 H&M損賠訴訟


(08年3月号掲載)

「上場すれば価値が何倍にもなる」などと虚偽の説明をし日本トレイド(福岡市、山崎和則社長)の未公開株などを売ったとして、福岡地裁(写真)に損害賠償請求を起こされた 「人間と産業開発研究所」 (H&M、大阪市、倉原忠夫代表)。

同社は 「詐欺行為には当たらない」と争う構えであることを1月、HPで報じた

ところが同時に提訴されている関連会社のうち一部が、H&Mの行為が詐欺に当たるなどとした原告の主張を認めた上で「自分たちは関係ない」とする方針であることが分かった。

いわば身内から「裏切られた」形のH&M。今後の裁判の行方が注目される。

 

われわれは 単なる集金機関


1月末、福岡地裁であった初公判。被告側代理人が欠席する中提出された答弁書は、原告側にとっても意外なものだった。「全面的に争ってくる可能性が高いと思っていたのですが」(原告代理人)。

 「近く上場する」「そうすれば価値が何倍にもなる」として未公開株を売ったのは詐欺行為に当たる、として213人が同地裁に提訴したのは昨年11月。法人としてのH&Mと代表者である倉原氏のほか、その関連会社など8社を相手取り計約2億5000万円の損害賠償を求めている。

 

問題となるのはH&Mや倉原氏らとは別の代理人を立てている2社。

答弁書によると、「上場の見込みがないのに『何倍にもなる』と誤信させ、H&Mに金を支払わせた行為が詐欺に当たる」などとする原告の主張を認めた上で、「自分たちは会員から支払われた金をH&Mにそのまま送っただけで、ほかの行為には関与していないから、賠償の責任はない」としている。

つまり、自分たちは単なる「集金機関」だから、H&M本体の詐欺的行為とは関係がない―という形で争うつもりなのだ。「わざわざ別の代理人を立てていることからも、そう考えるのが自然」(原告代理人)。

 

身内すら否定できず?


一方、H&Mなどは答弁書で「原告の主張する詐欺行為には当たらない」と述べているという。

原告側がこれまでにまとめた資料によると、H&Mなどに勧められ、原告らが購入した未公開株は日トレ社をはじめ、ルートピクチャーズ、日本ファースト証券など計11社。また、匿名組合への出資勧誘はEERイスラエル、ワープファンド2号など計12件。

代理人は「2 社の答弁書は、身内すらも否定できないほど、H&Mの行為が明白な詐欺であることを示すものと考えています。例えば日本トレイド株は、地元企業などに売る際は5 万円だが会員や一般投資家には1 株50万円前後で売っている。金額が高すぎるし、そもそも未公開株にどれほどの価値があるのか。また証券業の登録をせずに株を扱うのは証券取引法違反の疑いがあります」と話している。

 

提訴を取り下げれば半額返金?


第2回公判は今月27日に開かれ、それまでには原告側に対し準備書面で詳しい反論が示される予定だ。
「場合によってはH&M側は、『株の購入を勧誘する際の発言は会員らが勝手にやったことで、こちらは知らない』と主張してくるかもしれません」(原告代理人)。

H&Mの会員組織は、本社―支社―特別会員―正会員―準会員―一般客という「ピラミッド状態」になっていることはすでに報じた通りである。

このうち一部の会員が「提訴を取り下げれば金を半額返す」と、原告らに連絡して回っているとの情報もある。
「少なくともわれわれの依頼人については、そのような事実は確認していませんが…」(代理人)。 

名古屋地裁をはじめ、各地で民事提訴されているH&M。一部の関連会社が事実上、詐欺行為だったと認める中、どのような展開を見せるのか目が離せない。

 

関係者のみなさんへ


日トレイド(写真=現在同社がある「ビッグエア福岡」)のテーマパーク計画をめぐっては昨年末、久山町での建設が事実上破綻。にもかかわらずその直後、同社から株主に対し「計画は久山町で継続中」とする文書が送られた。

その一方で年明けから、宗像市内の土地(北九州市の有名企業が所有、とされる)やゴルフ場の買収話が流れた(本紙先月号HP福博噂話で既報)。

これらの話はすべて日トレ社周辺が発信源。そのどれもが事実無根か現実性のない物ばかり。久山町での状況について正確な発表もないままこのような話を流す裏には、ある意図が透けて見える

そこで関係者のみなさんに一言述べたい。

「たとえば詐欺罪を適用する際の判断において、事業が継続されているかどうか、経営が破たんしたかどうかは法的には何の関係もない。容疑を立証するだけの証拠がありさえすれば、いずれにしても立件可能です。悪あがきを続けると、逆に新たな罪を犯す危険性もありますよ」。

 

 

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