将 棋 の 話
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まじめな私
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小学生の日

 悪い悪い。先週は職団戦(4月13日)にはA級、B1級、タイトル保持者全員が指導すると書きましたが、間違いでした。一人も出ません。なぜそうなったかを記します。

 小学生名人は5月の連休前後に準決勝、決勝の3局がNHKで放映されます。各県の予選は3月最終週の土、日と決めました。今年は2月に行われた県もあります。来年は全国一斉にNHK支局もニュースで取りあげてもらいたく、47都道府県が歩調を合わせてとなればと思っています。
 その県大会へはプロ棋士を派遣します。全国一斉に、それも一県一人だけではないようにしたい考えです。
 今年は2月と3月29、30日とまちまちでした。プロ棋士の協力を仰いだところ、タイトル保持者、A級、B1級の棋士が行ってくれることになったのです。2月分は既に行っています。
 地元の方はプロ棋士の謝礼、交通費、宿泊代全て無料です。
 棋士の謝金も全員一律になっています。(連盟負担でタイトル保持者も四段も同額)

 小学生名人戦の方へ多くの棋士が全員協力して行ってくれた。
 4月13日の職団戦とはダブらないようにしました。その結果、31名の棋士が当日指導しますが、A級、B1級、タイトル保持者は無しということになったのです。今年の4月13日はB2級、C1級が行きます。
 来年は人選を早目に決めて、偏りがないようにしたい。

 小学生名人戦は参加人数が減る傾向にあります。弱い人、低学年の者は代表になれないと諦めてしまうからです。
 そこで一案。参加者を増やす工夫、努力をした県連合会には特別賞を設けることを検討中。
(名人戦は「まじめな私」で)

(3月22日一部訂正しました)

幻の一手

 まず、今日から始まる対局型掲示板をどうぞ。出来ればあなたも一手参加して下さい。観戦だけでも連日どうぞ。

 王将戦の最中のことです。第二局です。
米長「久保君。あそこで△7三王なら優勢じゃないか」
久保「それがですね。○○○という手があるんです」
米長「えっ?」
数日後に羽生、米長の対話です。
「あそこで△7三王と指すとどうするの?」
「うーん。それは▲7五歩か○○○のどちらかです。それよりも△7四歩と突く手で△5三王も有力です」
「そのあと教えてくんないか」
「▲6六香△7四桂と思うんですが」

※この局面が棋王戦第三局、佐藤ー羽生戦で出現したのです。
 「△7四桂のあとは二通りあります。ひとつは▲7四同角△同歩▲4五桂△4二王▲1二竜△5一王です。王がくるくると一回りするのが面白い変化です。もうひとつは○○○です」
 私が教えてもらった○○○はタイトル戦で再現するような予感がしましたので封じ手にしておきました。
 しかし、その一手を羽生善治二冠が指しましたので公開します。バックナンバーで、羽生ー久保戦もありますから熱心な方はそちらもご覧下さい。
 さ、掲示板の方へどうぞ。

NHK

 早いものでこのホームページも丸八年になるんですね。丸八碁盤店で何か記念に買おうかな。
 NHK杯の決勝ご覧になりましたか。史上初の生放送でした。解説が森内俊之名人。私は声を掛けられましたが断りました。
「決勝戦だけは解説者はトップスターでなければいけません。固くお断りします。これからも毎年そのように致しましょう。今までのように会長が解説するのは止めにしたい」
続けて次のようにも申し上げました。
「私は決勝戦のみお断りしているのです。それ以外でしたら是非私を解説にお願いします」

 4月13日(日)は佐々木慎五段VSア一生四段戦です。その解説を頼まれました。私としては2年振りの解説ですので是非ご覧下さい。聞き手は「美人で有名な中座夫人」の妹の中倉宏美さんです。中倉先生とお呼びしないといけないのかなぁ。

 4月13日は職団戦の日でもあります。先々週、3月最終週に多くの県で小学生名人戦の予選があると書きました。全国各地にプロ棋士が派遣されます。
 棋王戦が第5局まであります。佐藤棋王と羽生二冠は派遣には参加出来ません。訂正します。

社団法人と棋士

 社団法人日本将棋連盟は今後どうなるのでしょうか。おかげさまで健全経営の目途は立ちました。今年の赤字は数千万円くらいになった。収入も増えましたので、来期からは想定通りの経営になるでしょう。但し棋士の理解と公益法人改革の乗り切りが条件です。職員も理解していて全員一丸となって危機感を共有する者が多くなってきました。
 問題はプロ棋士にあります。公益法人改革の前段階として、もう一度社団法人と正会員(棋士)の関係を明確にして、定款の不備を補う必要があります。
 現在の会員の禁止条項は3項です。
○免状
勝手に自分の個人免状を発行した者は除名。但し私製の認定証などは普及に役立ちますから奨励しています。
○対局
理事会の許可なく棋譜を新聞や雑誌等に掲載した者は退会処分になります。免状は伝統の権威でもあり、対局は棋士の生命がけの神聖なるものです。近頃不戦敗を何回もしたうえに悪びれた風も無い者が現れました。法律を盾にされると案外処分が難しいです。不戦敗は自由になるのか。やっぱり会員の総意できちんとした定款を改正するのか。どちらかにすべきでしょうか。
○破産
自己破産や禁治産者も退会です。
近頃民事再生した者がいます。会社も破産で、債権者会議が持たれています。個人の方は民事再生が認められた。個人も法人も他人に迷惑をかけたことは間違いありません。かつての「もののふ」の棋士であれば、定款に定められたものであろうとなかろうと退会したことでしょう。
今の定款は民事再生などという妙手が無い時の定款です。法律上は問題点や不備があるのです。

 社団法人の正しくあるべき姿にするため、定款を改正しておく必要があります。美しい社団法人を目指そう。
 普及活動も順調です。特に教育界への進出が顕著です。これは本日更新の「まじめな私」をお読み下さい。

名人戦共催

 いよいよ始まるんですね。待望の名人戦です。4月7日の夜が椿山荘にて前夜祭。文部科学大臣もお見えになる予定です。毎日新聞社と朝日新聞社の共催で、両社長がお二人ともご挨拶。
 4月8日の第一局は同ホテルで午前9時から始まります。正立会が中原十六世名人。会長米長邦雄。勿論両新聞社社長も同席。4人が一列に並んで第一手を見守ります。私も和服です。

 思えば長い道のりでした。一昨年の12月末に共催で三者が合意したのでした。中原渉外担当理事が書面を持参して毎日新聞社を訪ねたのが一昨年の3月27日のこと。それから5月の定時棋士総会、8月1日の臨時総会を経て12月末に合意。
 公私に亘って叩かれました。もっとも私を悪者に仕立てようとしたのはプロ棋士2名と女流棋士2名、それにブラックジャーナリストとして高名な男に、一企業と決まっています。彼らも叩き疲れたことでしょう。ごくろうさまでした。
 オイ。どうだ。そろそろ手打ちしよう。それともまだやる?
 私は女性に関しても打たれ強いのです。「ヒドイ目にあわされた」という女性が出てこない限りは作り話ですから。
 かくして私は以前にも増して元氣ですが、叩いた方の人たちの方が心配で心配で。

 共催による普及協力金1億1200万円也。この一年間でそれよりも多くの額を使って普及活動に務めました。アマチュア主導型の普及態勢を築き、教育界へも一歩ずつ前進しています。名人戦の対局を楽しみ、普及活動に務め、教育界への一助も果たす。
 今はホッとしています。ご支援感謝。