北京――中国の国営・新華社通信は4日、四川省のカンゼ・チベット族自治州カンゼ県で3日夜、暴動が発生、少なくとも1人の地方政府職員が重傷を負ったと報じた。チベット人の海外亡命組織はこの暴動で8人が死亡したと報告した。
同組織はまた、規制の警官隊が地方政府の建物へデモ行進しようとした仏教僧ら数百人に発砲したとも述べた。デモは、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の写真を掲げて拘束された僧侶2人の釈放を求めるため実施されたという。
新華社通信は、デモ参加者の死者、負傷者の有無には触れていない。地方政府職員が襲われて重傷を負い、警官隊は発砲を余儀なくされたとも伝えた。
同通信によるとカンゼ県では先月下旬もデモが発生、警官がナイフや投石の攻撃を受け、1人が死亡した。
先月14日に大規模暴動が発生、武力鎮圧されたチベット自治区ラサの治安は回復したとされているが、周辺のチベット民族居住地域では依然、抗議デモが沈静化していないことを示すものとなっている。
ロンドンに本部がある人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」によると、3日夜の暴動は、チベット寺院での中国政府による「愛国教育」推進プログラムが原因。教育ではダライ・ラマ14世の非難などが命じられるという。