北京五輪で変わる中国
僕は習近平にお天気の話もしたが、もちろん質問もした。
「オリンピックを控えて、チベット騒乱が起き、フランスの外務大臣が開会式には出ないと言った。それにならってチェコ、ポーランドの首相、そしてドイツのメルケル首相までもが欠席を表明した。このままいくと中国は孤立する。この状態をどうするつもりだ」とまず聞いた。
事務局は真っ青になっていたが、習近平は「我々は大変心を痛めている」と答えた。そして、「全く政治色のない、世界中の人が参加してくださるオリンピックにしたい。そのことをわかってほしい」という説明もしていた。
日本のことも聞いてみた。彼は日本に何度も来ている。栃木県とか、福島県など、全部名前も覚えていた。「是非日本に行きたい」とも言っていた。
やはり習近平は、メディアを大事にしなければならないという意識が強いのだと思う。中国が世界でどう思われるか、世界が中国を見る目は報道によって変わってくるわけで、ここを重視しているのだろう。
このように北京で行われた日中ジャーナリスト交流会では、色々な発見があった。昨年の東京大会では本当に双方がかみ合わなかった。中国側はまだ言論の自由がないということで頑なだったが、この1年でずいぶん変わったな、という印象を持った。
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