国立感染症研究所感染症情報センター(東京都新宿区)が1月29日にまとめた速報によると、ことし第3週(1月14日〜20日)には全国から180人の麻疹(はしか)の報告があり、今月1日から20日までの累積報告数は388人に達した。報告数は前週までから大幅に増えており、同センターでは春先以降の流行を警戒している。
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麻疹の流行
医療機関の麻疹対策「平時から備えを」 同センターによると、ことし第2週まで(1月1日〜13日)のはしかの累積報告は145人(速報値のみ)。単純に速報値段階の値を比べると、第3週の報告数は1週間だけでこれを上回ったことになる。
実際には第2週の速報値を集計した後にも報告があったため、1日から20日までの累積報告数は29日時点で388人に達した。都道府県別では神奈川県が163人で最多になり、これに福岡県65人、東京都36人、北海道34人などが続いている。
はしかの発生状況は従来、定点観測により把握していたが、全医療機関に報告を義務付ける全数報告に年明けから切り替わった。同センターでは「昨年までと単純比較できないが、信頼性は高い」とみている。
はしかの感染を防ぐ手段はワクチン接種しかないとされる。06年度には、免疫をより強固にするなどの狙いで、第一期(1歳児)と第二期(5〜7歳児)を麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)の定期接種の対象にする2段階接種がスタートした。
しかし厚労省が実施した調査では今年度、第二期接種対象者によるはしか含有ワクチンの接種率は、昨年9月末時点で48.3%と半分に満たない。
はしかの流行は例年、5月ごろから本格化する。同センターは、昨年に続きことしの大規模流行を警戒。「発症すると最悪の場合には脳症を併発する可能性もある。まだ接種していない対象者は年度内に接種してほしい」と呼びかけている。
更新:2008/01/29 16:34 キャリアブレイン
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