アジアを中心に感染者が増えている鳥インフルエンザ問題や新型インフルエンザ対策を考える国際シンポジウム「パンデミック(大流行)の恐怖」(アジア調査会主催)が1日、東京都内で開かれた。
強い毒性を持つH5N1型の鳥インフルエンザなどが変異し、人から人へ感染する新型インフルエンザとして大流行する可能性が懸念される。人は新型インフルエンザに免疫を持っていない。大流行すると世界の人口の20%が感染し、1億人以上が死亡するとの想定もあり、社会経済的にも大きな影響が出るとみられている。
シンポジウムでは▽大流行が起こる可能性▽海外や日本の大流行に備える対策--などを議論。東北大の押谷仁教授は「対策で被害を抑えられることが分かってきたのに、日本は対策が遅れている。ワクチンや抗ウイルス薬をどうやって分配するかや、医療機関の麻痺(まひ)を避けるための具体策が必要だ」と指摘した。
毎日新聞 2008年4月2日 東京朝刊