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自死遺族の思い 伝えたい 小冊子完成「大切なあなたへ」 リメンバー福岡など

[キーワード]医療情報

[更新日時]2008年03月16日

 かけがえのない家族を自死で失った人たちが、悲しみや苦しみ、例えようのない気持ちをつづった小冊子「大切なあなたへ-自死遺族のメッセージ」ができた。福岡市の「リメンバー福岡」をはじめ神戸市、名古屋市で定期的にもたれている自死遺族の会から生まれたもので、収められた33の文章からは、生きづらい世の中を懸命に生きようとする遺族の率直な思いが伝わってくる。

 「生きてくれているだけで良かった。こんなに大切でかけがえなかったのに、失ってはじめてそのことに気がついた。失ってしかわからなかった……元気なうちに『生きているだけでいいよ』と言えば良かった。『お母さんのために生きててよ』と伝えれば良かった。お母さんは一緒に暮らしていても何の力にもなってやれなかった……ごめんね」(娘を失った母親)

 「私の主人は自殺しました。慰めや、同情はいりません。どうか、そんな目で私を見ないで下さい。主人は主人なりに精一杯生きた結果なのです。主人は悪くありません。精一杯生きた人を悪く言わないで下さい」(妻)

 「あなたの母になれた事に感謝し、あなたの事を思いつづけていくためにも、私は、元気で、長生きしなければと思います」(息子を亡くした母親)

 年に3万人、1日に80人以上が自ら命を絶つ現実にあって、2006年に施行された自殺対策基本法は、自殺の防止と併せて遺族への支援を柱にしている。リメンバー福岡(井上久美子代表)は福岡、北九州両市と福岡県の各精神保健福祉センターの協力を得て、この冊子を希望者に無料で進呈する。

 申し込みは福岡市=092(737)8825▽北九州市=093(522)8729▽福岡県=092(582)7500=いずれも平日に。

     ◇    ◇

 ▼次の集いは23日 遺族が思いを分かち合うリメンバー福岡の次回の集いは23日午後1時15分-4時、福岡市中央区舞鶴2丁目、あいれふ8階で。参加費千円。
申し込みは福岡市精神保健福祉センター=092(737)8825。
メール=rem.hukuoka@wood.dti2.ne.jp

【写真説明】刊行した「自死遺族のメッセージ」

=2008/03/16付 西日本新聞朝刊=

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