明知鉄道(恵那市)が赤字路線から脱却しようと、地元特産の寒天を使って製造・販売している「おらが鉄道の山岡寒天入りカレー」と「スープ」の売り上げが好調だ。昨年5月から販売している「おらが明知鉄道せんべい」も評判がよく、長く暗かったトンネルの向こうに“明かり”が見えてきた。【小林哲夫】
明知鉄道は、旧国鉄の明知線を引き継いで1985年11月、第三セクターで再スタートした。だが利用客の減少で発足以来、赤字続き。負債は約3200万円にのぼる。このため、地元の料理を楽しめる季節列車や、自転車を載せて走るチャリンコ列車などを運行したが、赤字解消の決定打にはなっていない。
同様に赤字経営の銚子電鉄(千葉県)が販売した「ぬれ煎餅(せんべい)」がヒットしたことを参考に、明知鉄道も「おらが明知鉄道せんべい」を発売したところ、大人気に。毎週320袋仕入れているが、需要に追いつかず、手焼き製造のため、これ以上増やすことはできない。
そこで、第2弾として地元の山岡町の特産品、寒天を利用したカレー(200グラム)とスープ(180グラム)を製造、今年3月からそれぞれ450円で売り出した。
様子見で各3000個製造し、1カ月でカレーが1100個、スープが1000個売れた。予約も400~500個入っており、完売間近だ。寒天を使用したことで「満腹感の割にカロリーが少ない」「食物繊維が多く、便秘が解消された」などとヘルシーさが評判という。トロリとした食感もよく、特に女性の人気が高く、近く追加注文する予定だ。
明知鉄道の恵那、岩村、明智各駅、土産物店などで販売している。問い合わせは同鉄道(0573・54・4101)。
毎日新聞 2008年4月5日 地方版