【北京=伊集院敦】中国が中朝貿易を手掛ける北朝鮮企業に、人民元での取引決済口座の開設を認める新制度を導入したことが分かった。2006年10月の核実験後に発動した送金や口座開設に関する経済制裁を事実上緩和し、国境貿易を容易にする。北朝鮮経済は日米の経済制裁で厳しさを増しており、核問題を巡る6カ国協議の進展をにらみ経済関係を強化する。核問題などで交渉を続ける関係各国の動きにも影響を与えそうだ。
特定の国を対象にした人民元の決済制度の創設は異例。中国人民銀行(中央銀行)や外貨管理局が対朝貿易決済の新規定をまとめ、北朝鮮との国境貿易が盛んな遼寧省丹東市や吉林省延辺朝鮮族自治州などの関係金融機関に通知した。(07:02)