癒やし系、レトロ…新顔続々
マスコットキャラクターの名前や、誕生の歴史は意外と知られていない。
(前田利親)
ずらりと並んだマスコットキャラクター。華やかな装いから、ご当地ものまで様々だ(大阪市浪速区の高島屋史料館で)=追野浩一郎撮影
代表格は来年50歳
マスコットの代表格は高島屋の「ローズちゃん」。体長約60センチ。各階の案内コーナーで客を迎えている。1959年、クリスマス商戦に合わせて誕生し、来年には50年になる。「ハッピーちゃん」「ラッキーちゃん」と改名し、62年から同社のシンボルマークのバラに合わせて今の名前になった。「男の子でも女の子でもない」「子どもでも妖精でもない」といった設定は当時のままだ。
大阪・日本橋の「高島屋史料館」には、歴代のローズちゃんが約30体並ぶ。舞妓(まいこ)さん(京都)、坊っちゃん(松山)など各店の所在地にちなんだ衣装姿も多い。半年に1度入れ替わり、そのたびに訪れる年配の客もいる。おもちゃ収集家の北原照久さん(60)は「品の良さがローズちゃんの魅力。優しい雰囲気にひかれるファンは多いのでは」とみる。
幅広い客層あだ?
一方、阪急や阪神、近鉄にはマスコットがない。阪神の「トラッキー」はタイガースのもので、百貨店のものではない。各社の広報担当者に尋ねると「ない理由? よく分かりません」と首をかしげる。
広告に関する調査などを行う社団法人「大阪アドバタイジングエージェンシーズ協会」事務局長の角田邦彦さんは「マスコットは商品化されやすいこともあり、誰に好かれたらいいかを想定し、一定の層に絞って作られることが多い。幅広い客層を持つ百貨店では、マスコットを設定するのは難しかったのではないか」と分析する。
経営統合の象徴
しかし、最近になって新たなマスコットも登場している。大丸京都店の「デッチーくん」と、松坂屋上野店(東京)の「さくらパンダ」だ。
「デッチーくん」は2002年、京都店の全面改装に合わせて誕生。発祥が呉服店であることから、若い奉公人をかたどり着物に前掛けのレトロなスタイル。「さくらパンダ」も07年3月、店舗の改装に合わせて生まれた。上野公園のパンダと桜にかけ、白とピンクが基調。癒やし系のかわいさが人気を集め、インターネット上に自らのブログを持つほど。
両者が注目を集めたきっかけは、昨年の両百貨店の経営統合。それぞれ単独店のマスコットだったが、合同イベントで共演したことから、今では“ブランドの顔”として全国で活動している。
人形やマネキンの歴史に詳しい京都造形芸術大教授の藤井秀雪さんは「滋賀県彦根市のひこにゃんや、兵庫県のはばタンのように、親しみやすいマスコットへの注目は高まっている。これから導入しようという百貨店や企業が増えるのではないか」とみている。
イベントガイド
京阪守口店 | オールファッショングッズ大バーゲン(27日まで) |
西武大津店 | 第2回日本の職人展(24日まで) |
そごう心斎橋本店 | フランクミュラーコレクション(23日まで) |
大丸心斎橋店 | 大丸4店共同企画春の男の専科大バーゲン(26日〜31日) |
近鉄阿倍野本店 | 「雑誌ミセス」全国かくれた味うまい味(26日まで) |
近鉄上本町店 | ビーズマニアフェスタ(25日まで) |
高島屋大阪店 | 女性のためのくつとバッグの大祭典(24日まで) |
高島屋京都店 | 半年に一度の婦人服大ファッション祭(25日まで) |
阪急梅田本店 | 春の感謝スペシャル大バーゲン(25日まで) |
阪神百貨店 | 春の婦人くつ・バッグバーゲン(24日まで) |