昨日から書き込んでいる、「不動産の上がりそうなところと、下がりそうなところの見極め方」の第二段です。
http://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/54623299.html
前回は、都市圏ごとの「世帯収入と不動産保有コストの比率」でみてみました。
今回は、「賃貸コストと不動産価格の関連」です。これは、同様の不動産を購入もしくは賃貸する場合の、比率です。同じような物件に住むのみ、賃貸のほうが安ければ、賃貸需要が増す→賃料アップにつながり、購入したほうが安ければ購入需要が増す→不動産価格アップ、につながります。
まず、最初の表を参照ください。これは、1975年ごろからの「購入 Vs. 賃貸の比率」をインデックス化したものです。この表を見ると1995年くらいから、インデックスが90から140へ急騰しています。これは、不動産の購入した場合のコストが賃貸したよりも50%程度高くなったことを示しています。この数字からアメリカ全体の不動産価格が、賃貸にくらべ割高になりすぎたという点がお分かりいただけるかなと思います。
このインデックスが過去の相場に戻るためには、不動産の価格が下がるか、金利が下がるか、賃貸の値段が上がるか、のいずれかが起こらなくてはなりません。
さて、次は、都市圏ごとの「購入 Vs. 賃貸の比率」を分析してみます。
価値は、Fortune誌が行った、GRM(Gross Rent Multiplier）を使った分析です。GRMは、不動産の価格を年間の賃料で割ったものです。10万ドルの物件で、年間家賃が$10000とれるもののGRMは10となり。10万ドルの物件で年間家賃が$5000しかとれないものは、GRMが20となります。日本でよく使われている表面利回りと似たような概念ですが、GRMの場合は低いほうが利回りのいい物件ということになりますね。
下記のランクは、都市圏ごとの中間値の約2倍の価格の高級物件のGRMのランキングです。GRMの高い都市圏（表面利回りの低い都市圏）から、低い都市圏のランキングです。最初の数字（Jun-07）は2007年6月のGRM、右の数字（15-year ave.）は過去15年間の平均のGRMです。
* これらの物件は「高級物件」なので、その都市圏の中間価格の物件の利回りはもっとよいことをお忘れなく。
http://money.cnn.com/magazines/fortune/price_rent_ratios/
Metro area 6 Jun-07 15-year avg.
East Bay, Calif. 50.9 31.6
San Jose 42.5 27.2
San Francisco 38.2 27.4
Seattle 38.0 23.3
Orange County, Calif. 36.2 24.3
Honolulu 35.2 25.5
San Diego 34.0 22.4
Portland, Ore. 31.7 20.8
Sacramento 28.7 19.4
Las Vegas 27.9 18.9
Inland Empire, Calif. 27.5 18.8
Miami 27.2 16.0
Palm Beach County, Fla. 27.1 17.6
Norfolk 26.8 17.9
Raleigh 26.8 19.4
Nashville 26.8 20.5
Los Angeles 26.7 16.0
Stamford, Conn. 26.4 22.0
Charlotte 26.2 18.2
Greater Washington, D.C. 26.0 15.9
Richmond 24.9 16.8
Long Island, N.Y. 24.5 15.7
Fort Lauderdale 24.5 15.7
Denver 24.4 19.1
Milwaukee 24.2 18.1
Salt Lake City 24.1 16.3
Orlando 23.8 14.9
Boston 23.2 18.0
NATIONAL AVERAGE 22.8 16.9
Chicago 22.7 18.3
Phoenix 21.5 14.0
Memphis 21.5 18.1
Tampa 21.4 14.5
Baltimore 20.7 12.6
North/Central N.J. 20.6 14.4
Jacksonville 20.1 14.3
Atlanta 19.5 14.8
Minneapolis 19.3 15.5
Austin 19.1 16.3
Columbus 18.9 16.9
Hartford 18.7 14.9
Philadelphia 18.6 12.5
New York 17.8 11.7
Dallas/Fort Worth 17.8 16.1
San Antonio 17.7 13.5
Greater Kansas City 16.8 14.8
St. Louis 16.6 14.0
Houston 16.5 14.3
Cincinnati 16.3 15.1
New Orleans 16.1 14.8
Indianapolis 15.6 14.9
Oklahoma City 15.5 12.7
Cleveland 13.2 14.3
Pittsburgh 11.9 10.6
Detroit 10.3 10.9
- ここでもサンフランシスコベイエリア、シアトル、ポートランドの割高感が目立ちますね。過去15年間のGRMも高かったのですが、2007年6月時点では、高級物件の価格が年間の家賃収入の34倍以上という恐ろしい価格になっています。しかしながらこれら都市圏は新築物件の供給もさほど多くなく（＝空家が少ないhttp://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/54563177.html）、人の集まる人気都市なので（＝バブル知らずのスーパースター都市http://blogs.yahoo.co.jp/sfscottiedog/43356055.html）、賃料もここ数年激しく上がっています↓。逆にこの賃料が上昇が続く限り（＝不動産が購入の割安さアップ）、不動産価格も高値安定するとおもっています(
これもその都市圏の景気しだいと思いますが、、、）。
Markets with Largest Percentage Rent Increases in the 12 Months Ending March 31
http://blogs.wsj.com/developments/2008/04/04/report-shows-sunny-outlook-for-florida-renters-gloomy-in-seattle/?mod=WSJBlog
Rank Metro Rent Growth Avg Rent
1 San Francisco 11.50% $1,801
2 San Jose 9.10% $1,493
3 New York 9.00% $2,790
4 Seattle 7.70% $970
5 Portland 6.60% $759
6 Tacoma 6.20% $720
7 Oakland-East Bay 6.20% $1,290
8 Salt Lake City 6.20% $703
9 Austin 6.10% $762
10 Fairfield County, Conn. 6.00% $1,759
- このランキングでも明らかに割高感があるのは、いわゆるバブル4大エリアの都市ですね。Sacramento、Las Vegas、Inland Empire(Riverside/San Bernadino)、Miami、Palm Beach County等は、不動産価格が年間家賃収入の25倍以上するので、これは、危険水域でしょう。実際昨今の不動の下落も激しいですし、差し押さえ激増で空家も増え、物件がだぶついているため家賃も上がらない、という悪いサイクルにはまってしまってます。実際の2008年第一四半期の家賃の伸び率でも、これらのバブル4大エリアの多くの都市圏がワースト10にランク入りしています。
Rank Metro Rent Growth Avg Rent
70 Las Vegas 2.50% $820
71 Colorado Springs 2.40% $636
72 Memphis 2.20% $624
73 Chattanooga 1.80% $577
74 Miami 1.10% $1,068
75 Fort Lauderdale .70% $1,061
76 Orlando 0.50% $821
77 Tampa-St. Petersburg 0.10% $786
78 Palm Beach 0.10% $1,055
79 Jacksonville -0.10% $752
- 上記の2点は「賃貸にくらべて購入が割高な都市圏」ですが、単純に利回りのよい都市に投資すればいいのか？と聞かれても簡単に「ハイ」とはいえません。不動産購入が賃貸にくらべ割安な以下のような都市圏（Greater Kansas City、St. Louis、Houston、Cincinnati、New Orleans、Indianapolis、Oklahoma City、Cleveland、Pittsburgh、Detroit）などもいろいろ問題を抱えています。HoustonやKansas Cityのように郊外に土地がふんだんに余っており新規物件供給が増え続け、既存の物件が新築と競合してしまったりします。また、DetroitやClevelandなどのラストベルトは、製造業の不振から、人口が減り続け、不動産価格も下落が止まりません。
このように、純粋にキャッシュフローのみを考えたら、賃貸利回りのよい都市に投資するのが一番なのでしょうが、将来的に不動産の価値がなくなってしまうのもどうかと思いますね。
また、高値安定が期待できるサンフランシスコやマンハッタンの一等地での物件購入も頭金を40%くらいいれないとキャッシュフローが出ないのでそれも、純粋に投資として考えてもどうかとおもいますね。
僕が個人的にオースティンを気に入っているのは、景気や職が増加しているという経済のファンダメンタルの良さもありますが、街中の一等地でGRMが10くらいの物件（表面利回り10%）が探せばまだまだ見つかる点ですね。
ま、投資不動産の購入の場合、賃貸利回とは、切っても切れない関係にあるので、この手の利回りデータは非常に重要です。詳細を分析して、皆さんの投資場所の選定にお役立てください！
では、Happy Investing!!!!!
|
テキサス州は州の個人所得税が無い代わりに、不動産税が全米でも１，２を争う位に高いですよね。私は物件の評価額に対して不動産税が約0.5％の州に住んでいるので、テキサスの年間2.5%-2.7%は高すぎて、キャッシュフローは本当にポジティブになるのか、とても心配でなりません。
芝山さん名義の物件の住所をトラビス郡査定部門のホームページ
http://www.traviscad.org/tcad_search.php?mode=name&kind=real
で探して、http://www.zillow.comで2007年の不動産税査定額を見ても、１１万ドルくらいの物件に年間３５００ドル近く不動産税を払っていますね。（５０万ドルなら、年間１２０００ドルくらいになりますね。）
こんなに不動産税の高い地域では、表面利回り10%ではキャッシュフローは黒字にならないのではないですか？
上記のトラビス郡査定部のホームページで検索すると、芝山さんの個人名で所有している物件だけでも１０数軒あるようですが、実際に芝山さんの持っているオースティンの物件は、全体的に黒字なんでしょうか？
2008/4/6(日) 午前 11:42 [ 投資家見習 ]
投資家見習さん、Travis Countyの税金は年々下がっていて、2007年は2.2%くらい、2008年には2%くらいまで下がる予定です。また、テキサスの物件の評価額はCountyの鑑定家が査定するので、毎年戦ってく安く評価してもらうようにしています。よって、実勢の固定資産税は1.5%くらいでしょうかね。ちなみに、僕の持ってる評価額が115,000の物件は（実勢は相場は13万ドルくらいかな）、9万ドルで購入したので、ローンの支払いはつき$500くらい、税金は$200、保険が$50ですね。しめて$750の支払いになります。家賃は$1100とれています。でも、2007年のリファイナンスして、105,000のローンにかりかえたので（2万ドル以上キャッシュアウトしました）、ローンの支払いが、$500から$650くらいに増えたので、キャッシュフローは減りましたね。
僕の持ってる不動産は一部の含み益狙いの物件を除き基本的にトントンです。なにしろ、頭金ほとんどいれずに買い続けてましたから、、、
2008/4/6(日) 午後 0:27 [ sfscottiedog ]