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Windowsネットワークのマスタ・ブラウザを調査する

解説をスキップして操作方法を読む

デジタルアドバンテージ
2004/03/27
 
対象OS
Windows 2000 Professional
Windows 2000 Server
Windows XP Professional
Windows XP Home Edition
Windows Server 2003
Windowsネットワークでは、コンピュータの一覧をブラウズ・リストという情報として管理している。この管理を行うコンピュータをブラウザという。
通常はドメイン・コントローラがマスタ・ブラウザとなるが、場合によってはそのほかのコンピュータがマスタ・ブラウザとなることがある。
現在のマスタ・ブラウザやバックアップ・ブラウザの情報を調べるにはbrowstatコマンドを利用するとよい。
 
解説

 Windowsネットワークでは、例えばエクスプローラ上で「マイ ネットワーク」をクリックしたり、コマンド・プロンプト上で「net view」コマンドを実行したりすると、ネットワーク上に存在するサーバ・マシン(ファイルやプリンタを公開しているマシン)の一覧が表示される。

 このコンピュータ名の一覧リストのことを「ブラウズ・リスト(browse list)」と呼び、実際にはネットワーク上の「ブラウザ」と呼ばれるコンピュータがこれを管理している。「ブラウザ」にもいくつか種類があり、たとえどれか1台のブラウザがダウンしても、ほかのブラウザが代わって機能し、全体としては最低でも1台以上のコンピュータがブラウザとして機能するようになっている。これにより、ネットワーク上のマシンは安心してブラウズ・リストの情報を取得できるようになっている。

 ブラウザのうち、アクティブなものをマスタ・ブラウザといい、ブラウズ・リストを代表して管理している。そのほかのブラウザは「バックアップ・ブラウザ」といい、マスタ・ブラウザがダウンした場合には代わってマスタ・ブラウザとなる。

 一般的には、ドメイン・コントローラ(のうちの1台)がマスタ・ブラウザとなり、メンバ・サーバやそのほかのクライアント・コンピュータがバックアップ・ブラウザとなるが(OS別で見ると、Windows 9xよりも、Windows 2000やWindows XP、Windows Server 2003などの方が優先度が高い)、何らかの要因によってWindows 9xなどのクライアント・コンピュータがマスタ・ブラウザになってしまったりすることがある。この結果、うまくブラウザ・リストが管理できず、存在するはずのコンピュータが見えない、といったトラブルを招く場合がある。このような事態を把握するには、現在のマスタ・ブラウザやバックアップ・ブラウザがどのコンピュータであるかを調べるとよい。


操作方法

 現在のマスタ・ブラウザ(およびそのほかの種類のブラウザ)が実際にはどのコンピュータであるかを調べるには、browstat.exeコマンドを利用する。これはサポート・ツール(インストールCD-ROMの\SUPPORT\TOOLSフォルダに含まれるツール集)の1つとして提供されているコマンドである。利用するには、\SUPPORT\TOOLS\SETUP.EXEを実行して、システムにインストールし、その後コマンド・プロンプトを開いてbrowstatを実行する。

 browstatの使い方は、単にbrowstat.exeを実行すると表示されるし、「browstat getmaster /?」や「browstat gm /?」といったふうに、サブコマンド名に続いて「/?」を付けても表示される。

 マスタ・ブラウザやそのほかのブラウザの一覧を表示させるには、「browstat status」というコマンドを実行すればよい。

C:\>browstat status …ブラウザの一覧を表示させる


Status for domain D-ADVANTAGE on transport \Device\Nbf_NdisWanNbfIn{4F2A5348-1CAE-4672-834D-BA91C7F2D465}
    Browsing is NOT active on domain.
    Master name cannot be determined from GetAdapterStatus.

(…中略…)

Status for domain D-ADVANTAGE on transport \Device\Nbf_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403} NBFプロトコルのネットワーク
    Browsing is active on domain.
    Master browser name is: SERVER05 …マスタ・ブラウザ
        Master browser is running build 2195
    2 backup servers retrieved from master SERVER05
        \\SERVER05 …そのほかのブラウザ
        \\SERVER04 …そのほかのブラウザ
    There are 5 servers in domain D-ADVANTAGE on transport \Device\Nbf_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403}
    There are 2 domains in domain D-ADVANTAGE on transport \Device\Nbf_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403}


Status for domain D-ADVANTAGE on transport \Device\NetBT_Tcpip_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403} NBTプロトコルのネットワーク
    Browsing is active on domain.
    Master browser name is: SERVER01 …マスタ・ブラウザ
        Master browser is running build 2195
    3 backup servers retrieved from master SERVER01
        \\DAPC76 …そのほかのブラウザ
        \\SERVER05 …そのほかのブラウザ
        \\SERVER01 …そのほかのブラウザ
    There are 30 servers in domain D-ADVANTAGE on transport \Device\NetBT_Tcpip_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403}
    There are 2 domains in domain D-ADVANTAGE on transport \Device\NetBT_Tcpip_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403}

 このコマンドを実行すると、ネットワーク・インターフェイスごとに、現在アクティブなドメイン名と、そのドメインにおけるマスタ・ブラウザのサーバ名とそのビルド番号、そしてバックアップのブラウザのサーバ名が表示される。さらにそのドメイン上でアクティブなサーバの台数も表示される。

 この例では、最初ので「Status for domain D-ADVANTAGE on transport \Device\Nbf_NdisWanNbfIn{4F2A5348-1CAE-4672-834D-BA91C7F2D465}」と表示されているが、これは「\Device\Nbf_NdisWanNbfIn{4F2A5348-1CAE-4672-834D-BA91C7F2D465}というネットワーク・インターフェイスにおける、D-ADVANTAGEというドメインのブラウザ情報」という意味である。「Browsing is NOT active on domain. Master name cannot be determined from GetAdapterStatus.」とは、このインターフェイスでは何もブラウザ情報が見つからなかったということを意味している。実際のところ、インターフェイス名に「〜NdisWan〜」となっているものは、ダイヤルアップやVPNなどのWANインターフェイスなので、通常はこのような結果になるだろう。

 はローカルのイーサネット・インターフェイス上で動作するNBF(NetBEUI)プロトコルにおける検索結果であり、ここでは1台のマスタ・ブラウザ(SERVER05)と2台のバックアップのブラウザ(SERVER05とSERVER03)が見つかっている。

 はローカルのイーサネット・インターフェイス上で動作するNBT(NetBIOS over TCP/IP)プロトコルにおける検索結果であり、ここでは1台のマスタ・ブラウザ(SERVER01)と3台のバックアップのブラウザ(DAPC76とSERVER05とSERVER01)が見つかっている。

 このように、(マスタ)ブラウザはネットワークのプロトコルごとに別々に存在している。

 ネットワーク・インターフェイスの一覧を得るには「browstat dumpnet」というコマンドを実行する。

C:\>browstat dumpnet

List of transports currently bound to the browser

     1 \Device\Nbf_NdisWanNbfIn{4F2A5348-1CAE-4672-834D-BA91C7F2D465}
     2 \Device\Nbf_NdisWanNbfOut{3407B45F-F138-413A-8EA7-99CFAC547D12}
     3 \Device\Nbf_NdisWanNbfOut{38EA63A4-37CD-491A-BD12-C717A716A4E0}
     4 \Device\Nbf_NdisWanNbfOut{869CD634-2E42-4278-AB03-567BC1A8E547}
     5 \Device\Nbf_NdisWanNbfIn{A4B00D96-5952-4598-990A-03407CC8D335}
     6 \Device\Nbf_NdisWanNbfIn{4E2027FD-700C-406A-B740-AC9E24A6A0EB}
     7 \Device\Nbf_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403}
     8 \Device\NetBT_Tcpip_{D9E385AA-18B8-4AD4-B03E-C849BAD37403}

 1から6はWAN関連のデバイスで、7はNBF(NetBEUI)、8はNBT(NetBIOS over TCP/IP)のプロトコルをそれぞれ表している(システムのネットワーク・インターフェイスやプロトコルなどによって、この結果は異なる)。この情報を使って、「browstat getblist <ネットワーク・インターフェイス>」としても、ブラウザの一覧を取得することができる。「<ネットワーク・インターフェイス>」には、上記の番号か、「\Device\Nbf_…」という完全表記、もしくは「\」以降の「Nbf_…」や「NetBT_…」という指定が利用できる。End of Article

C:\>browstat getblist 7 …NBFインターフェイスを指定
Browser: \\SERVER04
Browser: \\SERVER05
 
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