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北京五輪柔道男子100キロ超級代表候補の石井慧(21)=国士大=が、左大殿筋断裂のため代表選考を兼ねる全日本選抜体重別(5、6日・福岡)を欠場すると3日、全日本柔道連盟が発表した。全治3週間で、同級最終選考の全日本選手権(29日・東京)に間に合わせるというが、代表争いから“脱落”した。また、今大会で負ければ、3大会連続五輪出場が絶望となる同級元王者の井上康生(29)=綜合警備保障=の近況を交えながら「ラス闘チャレンジ」と題し連載する。
北京を目指す石井にアクシデントが発生した。先月25日の練習中に故障し、選抜体重別の開幕2日前に欠場が決定した。「五輪代表選考会の大会を欠場するのは非常に残念」。けが以上に“痛い”出場断念に、石井は全柔連を通して無念のコメントを出した。
一昨年の全日本選手権史上最年少優勝(19歳4か月)の石井は、昨秋に100キロ級から最重量級へ転向。昨年末の嘉納杯東京国際で井上を下して優勝、年明けもオーストリア国際、カザフスタン国際と連勝を飾った。五輪代表争いでは無差別級世界王者の棟田康幸(警視庁)を猛追。それでも最重量級での実績が少なく、選抜体重別と全日本選手権の連続Vで北京行きを決める公算だっただけに、この欠場により選考レースから“脱落”した格好だ。大会には代わって加藤光将(愛知県警)が出場する。
4強の一角が崩れたことで棟田、井上、高井洋平(旭化成)による三つどもえの争いが過熱する。棟田が今大会を制すれば、全日本選手権を待たずに代表はほぼ確実に。石井同様、全日本―との2冠に懸ける井上と高井は、ライバルとの差を一気に詰めることになり、石井欠場の“恩恵”を、誰かが得ることになりそうだ。
もちろん石井も今月末の全日本選手権には間に合わせる方向で「五輪出場はあきらめていません。全日本にすべてを懸けます」。今は大会の行方を見守り、最後の戦いを待つしかない。
(2008年4月4日06時01分 スポーツ報知)