全日本選抜柔道体重別選手権へ向け練習を行った井上康生＝神奈川・東海大学武道館
柔道人生を懸けて北京五輪を目指す男子１００キロ超級の井上康生（２９）＝綜合警備保障＝が３月３１日、神奈川県内の東海大で練習を公開し、残る２つの代表選考会の初戦となる全日本選抜体重別選手権（５日開幕、福岡）に“勝負曲”を引っさげて臨むことを明かした。
大一番を前に自らを奮い立たせる。「（試合前に）曲はいつも聴く。今回は最近好きな２曲。１つはＴＵＢＥの『傷だらけのヒーロー』。もう１つは湘南乃風の『黄金魂（ソウル）』。（福岡へ）持って行く」。特に「傷だらけ-」は親交の深い栃東親方（元大関栃東）から勧められて気に入ったという。井上も来場した同親方の引退相撲でＴＵＢＥのボーカル・前田亘輝さんが披露したが、カラオケでもナマ歌を聴く機会があり感動したという。ケガや挫折を乗り越えてきた自身と重なり、勇気をもらえる。
「やるしかない。持てる力をすべて出していく」。代表争いで４番手に落ち、負けを恐れていた自分に気づいた。逆転切符には２連勝が最低条件。２９日の全日本選手権（東京）へつなげるためにも、２曲の後押しを受けて全身全霊を込めて戦う。