
発行人緊急アピール
改正均等法2007年4月1日施行と
「薄井セクハラ問題」について
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この「薄井セクハラ問題」が本年(2007)年4月の東村山市議選を舞台に発覚したことはタイミング的にもきわめて重要な意味を持っています。
というのは、昨年成立した改正均等法が、本年(2007)4月1日から施行され、職場でのセクシュアルハラスメント対策が厳しく強化された結果、市議選後の現在もネット上で公表され続けている「薄井」さんの言動がいかに個人の尊厳を傷つけ、いかに改正均等法の立法趣旨に対して挑戦的であって反社会的な、差別意識を隠さないものであるかが歴然としているかが、明らかであって、いかに薄井さんが公職者(市議)として不適格であるか、ということを強く指摘しなければなりません。
ところで、「セクシュアルハラスメント」とは、職場等において「性的な言動」により、個人の尊厳を傷つけ不利益等を生じさせる行為で、 事業主に限らず上司、同僚、取引先、顧客、患者、記者等も行為者になりうるものです。
また、『性的な言動』というのは、性的な内容の発言及び性的な行動を意味し、これには.性的内容の質問、発言、性的冗談やからかい、意図的に性的な情報(噂等)を流布する、ヌード写真・ポスター等の掲示、配布、性的強要、身体への不必要な接触、性的体験談を話すことなどです。これらのセクシュアルハラスメントの行為者は、規定された就業規則により懲戒対象となることが法的に義務付けられたというわけです。
昨年成立した改正均等法は、本年(2007)4月1日から施行され、職場でのセクシュアルハラスメント対策については、これまでも配慮が求められていましたが、本年4月1日からは、雇用管理上「必要な措置」を講ずることが事業主(この規定は派遣元および派遣先の事業主にも適用される)に義務づけられ、仮に対策が講じられず、是正指導にも応じない場合、企業名公表の対象となるという新しい段階に入っているからです。
この事業主に義務付けられた「必要な措置」とは、 「就業規則」その他の職場における服務規律等を定めた文書において、職場のセクシュアルハラスメントに係る性的な言動を行った者に対する懲戒規定を定め、その内容を労働者に周知・啓発すること、が含まれます。
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「薄井セクハラ問題」の本質と、市議としての不適格性とは |
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まずもって、「薄井セクハラ問題」を、「職業選択の自由」から論ずるのは、「性の商品化」が議論された20年以上も前の陳腐な議論の立て方です。努力の必要は謳われたものの、「セクハラ対策」が法的には義務付けられていなかったセクハラ横行時代の「遺物」的発想だということを指摘しておきたいと思います。
その後、改正均等法が施行された10年前からは、「セクハラ」は労働現場は勿論のこと、教育現場、市役所等公共空間をはじめとして一般社会的にも全般的に許されないこととなったわけですから、このような時代の流れを踏まえないで、20年も前、市役所の職員の机に女性のヌード写真が飾られていた当時と同様の発想から、「職業選択の自由」論を持ち出すようでは、まさしくセクハラ横行時代の遺物としかいえません。
さらに、セクハラ行為者に対する就業規則での懲戒規定まで法的に義務付けられた改正均等法の施行後(本年(2007)4月1日以降)の現在では、市職員が机に「ヌード写真」を飾ったりすることが許されないのは勿論のこと、意図的に薄井さんがやってるような性的情報を流布させたり、性的言葉を吐く、性的体験を語るなどすれば、そのセクハラ行為を理由に、その職員は処分され、場合によっては懲戒免職の事態もありうる話なのです。
いまや、どういった会社の就業規則にも「セクハラ行為」を厳禁とするとの条文が盛り込まれていますし、これがないのは、普通の職場とはいえません。
「職業選択の自由」があるからといって、また、「風俗嬢」と客との関係は「契約自由」の関係であって(まさか「恋愛」関係などとはいえないでしょうが)、本人同士の納得づくの問題ということではすまされません。上記に指摘したとおり、記者の取材先、顧客との関係でもセクハラ行為はありうるのです。
公序良俗違反の契約はもちろん無効ですし、これほど、セクハラ禁止の社会になっているのですから、「セクハラ類似行為」を売り物にすること(職業も)はいずれ規制対象となって消滅する以外にないはずです。
百歩譲っても、少なくとも、セクハラ類似行為を売買する「売春・性風俗」業界で「仕事」をすることと、市議に立候補し、市議として活動する人物が「セクハラ」を公然と肯定する立場にあることとは、全く次元が異なる問題です。
「人妻はカラダをほめろ」とか「オマタのバリアフリー」などと「女性蔑視」「障がい者蔑視」の差別を内容とする「セクハラ」を公然と肯定する人物はそもそも市議に立候補する資格はありませんし、有権者のみなさんがこのような薄井さんに投票したとしても、薄井さんには市議としての適格性はありません。簡単な話が、市役所職員には絶対に許されない言動を、そして明らかに就業規則違反の禁止行為を、薄井さんは公然と未だにネット上で公表しているのですから、薄井さんには市議としての適格性がないことは議論の余地がありません。
付け加えると、20年前、『性の商品化』を青少年への影響の観点から「青少年の問題」として論じたPTAの人たちも、当時はまだ「大人の問題」としては「個人の自由」だというような議論の納め方をしています。が、現代の日本社会の「セクハラ問題」は「大人自身の問題」としても、決して許されない禁止の対象であることを、薄井さんは、市議立候補の前にもう少し知る必要があったのです。
人身売買=売春・性風俗の禁止を謳う国際条約の趨勢も指摘しておく必要があります。
「セクハラ」を公然と肯定している薄井さん、「過去は誤りだった」と総括したとしてもそのどっぷりと染み付いたセクハラ体質では市議としての活動は不可能です。あなたが出没する先々で「差別とセクハラのマンゾクTVの××」と後ろ指を差され続けるのは必定でしょう。一刻もはやく、辞職されることをお勧めいたします。 |
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