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偽バイアグラなど10万錠押収 密輸粗悪品ネットに

2008年04月05日10時55分

 勃起(ぼっき)不全(ED)治療薬「バイアグラ」などの模造品を大量に不法所持したとして、愛知県警が韓国籍の女ら4人を商標法違反の疑いで逮捕していたことがわかった。家宅捜索で押収した、偽ED薬は約10万錠に上る見込みで、押収量は全国で最大規模。インターネットでの販売を目的に、海外で製造された模造品を密輸していたとみられる。今後は薬事法違反容疑(模造医薬品の販売・貯蔵)での立件も視野に、入手ルートの解明や組織的な背景の有無を調べる。

 生活経済課や豊橋署などの調べでは、4人は大阪府内のマンションに、模造の錠剤、ラベル、ボトル、ふた、添付文書などを貯蔵。ネットなどで募った顧客の注文に応じて組み立て、販売していた疑い。錠剤は中国で密造され、主に国際郵便で個人輸入を装って日本へ密輸した可能性が高いという。

 県警は3月中旬、容疑者の自宅や大阪府内のマンションなどを家宅捜索。ファイザー社製「バイアグラ」の模造品などを中心に、偽ED薬約10万錠を押収した。

 同社によると、模造品は国内外で真正品の約2.5倍の量が出回っている。大半は中国製で、1錠当たりの仕入れ値は約20〜80円と真正品の1500円前後に比べて約20分の1以下。ネット上では800〜4千円で販売されている。運びやすい上、利益率が高く、覚せい剤の販売に比べて法定刑が軽いため、密売が後を絶たないという。

 財務省関税局によると、全国の税関で押収された模造医薬品は06年に10件で4211点だったが、07年は103件で9万6591点に急増している。

 同社は模造品について、不純物や有害物質が入っている場合が多い▽不衛生な環境で製造されている▽主成分「シルデナフィル」の含有量にむらがあり、効果が一定ではないと指摘。「低価格の場合は特に注意が必要。病院で処方した物を購入して欲しい」と注意を呼びかけている。

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