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長寿医療制度:年金天引きに不安 市町村に問い合わせ殺到 /福島

 75歳以上の高齢者を対象にした「長寿(後期高齢者)医療制度」が今月から始まり、保険料が原則年金から天引きされるため、高齢者から不安の声があがっている。県広域連合や各市町村の相談窓口には連日、「いくら保険料がかかるのか」などの問い合わせが相次いでいる。

 「まさかこの年で夫婦そろって保険料を払うことになるとは」

 福島市内の病院を受診した同市に住む羽田オチさん(78)は、夫(82)とともに会社員の長男の扶養家族だったが、10月以降は年金から一部天引きが始まる。羽田さんは「いくら引かれるか不安。年金は家計を支えていたのに」とこぼした。

 また、目に障害を持つ同市笹木野の女性(78)は、健康保険に加入していた夫(76)の扶養家族だったが、新制度では保険料の徴収対象に。夫は「弱者を守るための保険制度なのに、障害者からも天引きするなんて」とやり切れない様子。

 県広域連合には、制度開始の1日だけで97件の電話相談があり、その後も連日100件近く寄せられている。「仕組みを分かりやすく教えて」「いくら保険料が引かれるのか」などの問い合わせが多いという。

 市町村にも相談が殺到し、福島市役所では2日までに300件を超えた。「保険証を紛失した」「受け取っていない」という高齢者も多く、同市は2日までに200通を再発行した。いわき市でも「電話がひっきりなしに鳴る」という。

 一方、「県社会保障推進協議会」は、年金からの保険料天引きが始まる15日に、相談電話を設置することを決めた。今後、受け付けの電話番号を決める。

 県広域連合によると、長寿医療制度は県内約27万人が対象で、平均保険料は年5万6200円。月1万5000円以上の年金受給者は、年金から保険料が天引きされる。保険料は4月上旬までに郵送で通知されるという。【西嶋正法】

毎日新聞 2008年4月5日 地方版

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